ノブコブ徳井「夢は叶わないから諦めてください。たけしさんも井筒監督も言ってる」
「プレイヤーであれ、批評家にはなるな」とは、ビジネスの現場でよく語られる話です。常に自分が行動を起こし、評価される側であるべきだという論理は至極真っ当。 その一方で、「人を批評する」ことによって存在感を見せつけている人がいます。平成ノブシコブシ・徳井健太さん。 「自分はネタも書かない」と公言しながらほかの芸人たちを批評する審美眼の鋭さと、その際の奇妙な面白さが話題となっています。 徳井さんに、「プレイヤー」として戦わない異例のポジションの築き方をきくと、「すぐ夢を諦めること」が大事とのこと…。 仕事に悩んでいる皆さん、“とっとと諦めたほうがいい”らしいですよ…! 〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉
向いてないかも?と思う人は、その時点で向いてない。夢は諦めろ!
天野: ビジネスの世界だと、「批評家になっちゃダメだ」と言われることが多いんですが、徳井さんは“批評する姿が面白い”っていう反則的な立ち位置じゃないですか(笑)。 どうなったらそのポジションにいけるのかなと思っていて… 徳井さん: 昔、井筒監督がジャルジャル主演で『ヒーローショー』って映画を撮ったんですけど… それがすごく残酷な映画なんですよ。 ジャルジャルの2人がくすぶった若者を演じてて、最初東京で頑張ってるんですけど、結局事件に巻き込まれて田舎に帰っちゃうんです。 天野: はい。 徳井さん: どういう意味なんだろう…って思ってたら、「夢なんてみんながみんな叶うもんじゃない。とっとと諦めたほうがいい」っていうのがメッセージだったんですって。 「才能ないヤツがほとんどなんだから、夢なんか見るな」って。 天野: シビアなメッセージ…! 徳井さん: 若いときは俺もうわー…って思ったんですけど、たけしさんも同じことを言ってるんですよ。「夢は叶わない」って。 俺が今のポジションで面白いって言ってもらえてるのもそれなんですよ。早い話が夢を諦めたから。 芸人として諦めたから、うまくいってるんです。 最近の自己啓発書なんかでは「夢を持とう」「夢は叶う」とか言いますけど、残酷な話だよなと思いますね。間違った教育ですよ。 芸人やっててプレッシャーで体調崩したり、アイドルで過呼吸になっちゃったりする人とかいるじゃないですか。 誰が悪いとかじゃなく単純な意見として思うんですけど…、その時点でその仕事に向いてないと思うんですよ。 天野: (すごい言いたい放題だ…) 徳井さん: 夢目指して東京に来て働いたけど「向いてないかな」って思ったら…マジですぐやめたほうがいいですよ。 仕事なんて20年も30年もやることじゃないですか。 2、3年で「向いてないのかも?」って思う人は、本当に向いてないんだと思います。その時点でやめたほうがいいと思います。 他の仕事をやってみて、「こっちの仕事めっちゃ向いてるわ!」ってなったらその仕事をやればいいし。イルカのトレーナーとか。 天野: (なんでイルカピンポイント?) 徳井さん: 大学も会社もそうですけど、日本人って「一回入ったらそこで頑張りつづけるのが正義」って思ってるじゃないですか。 でも、欧米だとそうでもない。何回でもやり直していいし、何歳からでも新しいことやっていいよ、って感じじゃないですか。日本もそうなればいいですよね。