馬場咲希、涙腺崩壊 最後の一打で悲願米女子ツアー切符「気持ちでねじ込んだ」1年目の冒険劇的終幕
<米国女子ゴルフツアー:最終予選会(Qシリーズ)>◇最終日◇10日(日本時間11日)◇米アラバマ州モービル、マグノリアグローブGCクロッシングC(6664ヤード、パー72) 【写真】来季の出場権を手にして涙を流した馬場咲希 最後の一打で悲願の米女子ツアーの切符をもぎとった。 悪天候のため順延された最終ラウンドの残りが行われ、当落線上の25位から出た馬場咲希(19=サントリー)は通算6アンダーで24位に滑り込み、来季の出場権を手にして涙を流した。山下美夢有が64と伸ばし、通算27アンダーで首位通過。2位岩井千怜、5位岩井明愛、9位吉田優利と、日本勢では5人が来季の出場資格を得た。来季の日本勢は今季シード権を確保した古江彩佳ら7人、TOTOジャパンクラシックを制して出場権を得た日本ツアーの年間女王竹田麗央を含めて過去最多13人となった。 ◇ ◇ ◇ 命運を左右する最終18番のバーディーパット。神経を研ぎ澄ませた馬場が、約8メートルのラインを読み切った。「気持ちでねじ込んだ」。入れば米ツアー出場圏内浮上、外れれば脱落という最後の一打で勝負強さを発揮。1年前には手が届かなかった切符を、ぎりぎりのところでもぎ取った。 前日の降雨サスペンデッドを経て、この日は9番第2打から再開。バーディーパットが連続で外れてスコアを伸ばせず、11番パー4では短い距離からの3パットでボギーに。ボーダーラインまでわずかに届かない状況が続いた。「スコアを落とせない位置。1打1打がすごく苦しかった。何回も心が折れかけたけれど、最後まで諦めなかった」。うまくいかず、しゃがみこむシーンもあった。それでも懸命に気持ちを切り替え、戦い抜いた。 ホールアウト後は涙腺が崩壊した。「今週もこの1年も、つらいことが多かった。それが今年は終わったんだという涙」。切符を手にした安堵(あんど)感、重圧からの開放感。さまざまな感情があふれ出た。 22年全米女子アマ優勝のホープ。プロとなった今季は単身渡米し、米下部エプソンツアーを主戦場とした。コースに出れば1人きり。「自分で全部考えてやらないといけなくて、精神的にも大変だった」。過酷な条件で気力と技術を高めた。その成果を、この日の最後の1打で結実させた。 エプソンツアー参戦を決めた今年1月、自身のインスタグラムに「プロ1年目の冒険」とつづった。さまざまな難敵を攻略し、レベルアップを果たした19歳。プロ2年目、新たなステージに挑む。