夏休みの宿題で思わぬ「著作権」侵害のリスク…友人の絵をまねる、白地図をコピーがNG?
自習ドリルや白地図をコピーしてはいけない理由
小学校や中学校・高校など非営利の教育機関では、著作権をゆるく扱う特例を認められています。 「授業の過程」であれば、教科書や教材、図鑑、新聞や雑誌記事など他人の作品をコピーして配布したり、オンラインで送信したりすることができるのです。 また児童・生徒も授業の宿題作成のために、必要な範囲でのみ教材を「コピーする」「オンラインで提出する」ことが可能です(著作権法第35条)。 「コピー」とスマホやタブレットによる「スキャン」は同じ意味として扱われます。 ただし、自習ドリルや白地図のように、児童や生徒が一人一冊ずつ持つことを前提に作られた教材は、コピーして配布したり、オンライン送信したりすることは禁じられています。あらかじめ、「一人一冊」を前提にして値段を低く抑えているからです。 以上は、教育現場の、しかも「授業の過程」における著作権のゆるい扱い(「著作権の制限規定」と言います)についてです。 ここでいう「学校」とはあくまで営利目的でない学校などの教育施設を指します。塾や家庭教師、カルチャーセンターはビジネス(営利)が目的なので、対象ではありません。他人が作ったコンテンツをコピーするときは、作り手の許可が必要です。 また、学校の中であっても、職員会議や保護者会は「授業の過程」ではありません。他人のコンテンツを無断でコピーできません。 「授業の過程」以外で、他人のコンテンツをコピーして使用するときは、作り手の許可が必要です。たとえば、教室や廊下に人気マンガのキャラクターをコピーして飾ることはできません。
宮武久佳