まち再生に関心高める 館山駅東口 リノベスクール
事前講演会に市民ら100人
JR館山駅東口エリアの再生を目的とした事業立案講座「リノベーションスクール」の今年度の開催を前に23日、千葉県館山市の房州第一ビルで事前講演会が開催された。53人が参加し、講師の話に耳を傾けた。
遊休不動産などの有効活用によるまちの再生手法を学ぶ「リノベーションスクール」。館山市では、既存の建物や空間を生かし、性能の向上や付加価値を加え、エリアの価値を高める「リノベーションまちづくり」を進めるため、今年度も来年1月9、10日の日程でスクールの実施を予定している。
事前講演会は、受講者の募集も兼ね関心を高めようと実施された。
この日は、全2回の内の初回で、講師にNPO法人西湘をあそぶ会の代表理事、原大祐さん(42)を招き、「これからの館山暮らしを考える地域内経済とコミュニティを大切にする大磯町の実践に学ぶ」をテーマに講話が行われた。
原さんは、神奈川県平塚市出身。高校時代に大磯町に魅了され、社会人経験を経て、2008年に同町に移住。
講演では毎月、同町の港で開催される出店数200店舗を数える県内最大のマルシェ「大磯市」を紹介。その後、マルシェ出店を通して出店者たちが町の担い手となり、地域内でのつながりが増えていく様子や耕作放棄地を活用した農園での取り組みなどを紹介。持続可能な地域づくりについて講話した。
取り組みの結果、過疎が進んでいた町も30~40代の移住者が増え、人口増加につながり、待機児童も出るようになったという。
その他、移住者や地元の人が多く関わる地域での暮らしを取り上げ、地域内コミュニティーの大切さも語った。
最後に原さんは「高校生のころ憧れた、まちでの暮らしを実践するというのが取り組みの根底にある。まちづくりには多様性が必要。まちづくりは、多様性を担保する地域ならではのエコシステムをつくることが重要」と話した。
参加者からは「イベントなどを一過性のものにするのではなく、いかに日常的なものにしていくかが大事なんだと思った」などの感想が上がっていた。