NMB48のステージから感じた“新世代が台頭するグループの姿” 山本彩、渡辺美優紀らも集結した10周年記念ライブ
10月23日、大阪城ホールでおこなわれたNMB48の10周年記念ライブ『NMB48 10th Anniversary LIVE ~心を一つに、One for all, All for one~』は、アニバーサリーにふさわしい伝説的な夜になった。 【そのほか写真】NMB4810周年記念ライブ 本編前、白間美瑠は影アナをつとめ、今回の公演について「10周年のストーリーをつめこんじゃいました。歴史を感じて盛り上がりましょう」と集まった約5000人のファンに告げる。スクリーンには歴代メンバーが奮闘する映像が映し出され、「先輩方が築き上げてきた歴史があってここまできた」とレジェンドたちに敬意を表する。 いよいよメンバーが登壇。グループの総意的なメッセージとして「2020年、私たちの世界は止まった。グループがある限りは続くと思っていたことが、そうではなかった。それでも、もう一回歩き出せばいいじゃないか。私たちは、大丈夫。みんなで始めよう」と新型コロナウイルスの影響で活動ができなかった期間の苦しみを思い返し、10周年を機にNMB48として新たな船出を誓った。思い返せば、このオープニングがすべての前振りとなっていた。
新型コロナのなかで感じた「10年」の重圧との闘い
序盤のセットリストは、深い意図を感じさせるものだった。オープニングナンバー「誰かのために」は、近年、エースとしてグループをリードした白間美瑠のアカペラによる歌い出し。さらに小嶋花梨が間奏MCで「誰も想像していなかった大きな壁にぶち当たって、皆さんに会えない日々が続きましたが、今またこうしてステージ立てたことが幸せです」と目を潤ませる。 新型コロナの影響をどう乗り越えるか。偉大な先輩たちが築き上げた歴史を潰してしまうのではないか。彼女たちが重圧のなかで闘い、そしてこの1曲目で扉を開けようとしていることがよく分かった。 次に続いたのは、NMB48のかつての大エース・山本彩(2018年11月卒業)作曲の「夢は逃げない」。山本彩は卒業前の2018年9月、同曲のタイトルを引用した研究生公演をプロデュース。当時、研究生としてイベントに出演していた面々は、現在は正規メンバーとしてグループを支えている。「夢は逃げない」は、さや姉イズムの象徴的楽曲なのだ。 さらにNMB48であることの誇りを宣言する曲「理不尽ボール」、配信映像では〈もう一度生きようか?未来は外にあるよ〉という歌詞のところで卒業公演を翌日に控えた吉田朱里が映し出される涙腺崩壊な演出が成された「最後のカタルシス」と相次ぎ、感情を激しく揺さぶった。