埼玉大で産学官連携インターンシップ成果発表 新たな人材育成の場に
学生が取り組んだインターンシップの成果発表会が11月14日、埼玉大学(さいたま市桜区大久保)で行われた。(浦和経済新聞) 【写真】インターンシップに参加した学生とJT社員 同大では、2023年から日本たばこ産業(JT)埼玉支社(大宮区)との連携でインターンシップを行っている。本年度は、さいたま市都市局みどり公園推進部も加わり、産学官連携事業として行った。 課題のテーマを「実際のさいたま市の公園を対象に、理想を実現するための問題設定・仮説構築・実地調査・具体的な打ち手の検討を行う」として10月半ばから計4回のカリキュラムを実施。広さや環境の違う公園を対象とし、フィールドワークで情報収集したデータから資料を作成し、その成果発表会を最終日に行った。 発表は埼玉大学教養学部1年の藤井蒼太さんが行い、さいたま市都市局みどり公園推進部部長・麻生和彦さん、埼玉大学キャリアセンター長・石坂督規教授、JT埼玉支社の支社長・谷口吉憲さんが聴講した。 藤井さんは「別所沼公園を調査した。何度も利用してもらえる場所であることが理想。多種多様な人々が共存し愛される地元の公園でありながら、話題性や利便性に富んだ公園を目指す」と発表。「今回の学びで公園を利用する人や周辺住民の思いを直接聞く機会になった。JTの方と取り組むことで利用者としての視点に加えて、公園のあり方や作られ方、実態などをより深く知ることができた」とも。 麻生さんは「SNSの活用やアプリなどのアイデアは参考になった。市としても公園の利用者と近隣住民との共存を意識し、協議会結成の提案や直接足を運んでの聞き取りなどを行っている。藤井さんには、ぜひこの経験を今後に生かしてほしい」と期待を込めた。 石坂教授は「学生はフィールドに出て自ら主体的に学ぶことを求められるようになってきた。今回は民間や行政の方と一緒に、人材育成の一環として取り組むことができた。企業や行政の方と取り組んだことで、違った考えや意見を持った人々がどのように共存していくかという大きなテーマについて取り組めた。学生にとっても現地の声を聞き、一次情報を入手し、考え実践する学びは良い経験となった」と話す。 谷口さんは「公園というテーマは難しかったが、いろいろな方の意見を聞きながら最善に近づけていくための手を考えるいい機会になった。われわれも環境変化が進む中で、より変化に即応できる体制を作っていきたい。今後もぜひ協力したい」と話す。
みんなの経済新聞ネットワーク