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「ごめんなさいね」20歳男性に母が衝撃告白。親族全員が…

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幻冬舎ゴールドオンライン

成人式で絶望に落とされる…そのワケは

それは20歳の成人式。晴れがましいはずのこの日は、私にとって思いがけず、衝撃的な日となりました。 成人式の会場で顔を合わせたのは、久しぶりに会う旧友。その彼が私を見て開口一番、こう言ったのです。 「頭、薄くなったねぇ!」 彼としては何気なく言った一言だったでしょう。でも私には非常にショックな言葉でした。 思えば、それまで自分でも薄々、額の生え際が後退していることに気づいていたと思います。でも、それを無意識に打ち消し、見ないふりをしていたのでしょう。ところが成人式の友人の言葉を聞いて以来、自分の薄毛をどんどん、はっきりと意識せずにはいられませんでした。 そこで母親に薄毛の悩みを相談してみることにしました。すると、母からまた驚くべき言葉を聞かされたのです。 「ごめんなさいね……。実は、私の実家も、お父さんの実家も、男性はみんな頭がつるつるなの。私もお父さんの実家もそうだなんて、結婚するまで知らなかったのよ。そういうわけだから、あなたの薄毛は遺伝なの。しかも両家からの遺伝だから、あなたがハゲない理由はないのよ」 これもまた衝撃的な告白でした。それを聞いた私は、「運命には抗えない」という諦めの気持ちと、「いや、一族郎党全員がハゲたとしても、自分一人だけはなるもんか!」と望みをつなぎたい気持ちとの間で激しく揺れたのを覚えています。 しかしあるとき、薄毛を認めざるを得ない瞬間がやってきます。たとえば理髪店の大きな鏡に映った自分の姿を見たとき。角度や光のかげんによって、鏡やショーウィンドーに映る薄毛があらわになったとき。そのたびにギョッとし、「自分は明らかにハゲてしまった……!」と思ったものです。しかも、薄毛は非情にも進行していきます。額がM字に薄くなり始めてから2~3年が過ぎると、頭頂部もはっきりと薄くなっていきました。

365日24時間、薄毛のことを考えてしまう

そうなると、もう何をする気も起きません。おしゃれをするどころか、何を着ようかなどと考えることもできません。なぜなら、髪のない人間にとって、髪が抜けることは鼻や耳が落ちることと同じなのです。本来あるはずのもの、自分にも以前はあったもの、ほかの人は当たり前に持っているものが、自分だけは日に日になくなる、その恐怖。その中で薄毛の人間は生きているのです。髪が薄くなってきたら思いきって坊主頭にする人もいます。それは潔く見えますが、実は薄毛を気にしているからこそ、することなのです。誰だって髪がないよりも、あったほうがいいに決まっています。 頭頂部まで薄くなってから、私は“背後”を極端に恐れるようになりました。バスに乗っても、一番前に立ったり、座ったりできません。エレベーターに乗ったときも、ボタンパネルのところなどは絶対に避け、壁際にへばりつくようにして立ちます。全て、人に背後から頭頂部を見られたくないからです。 それに日常生活でも、いつでも薄毛を気にしなければなりません。走ることもしたくないし、自転車にも絶対乗りたくありません。風に吹かれると、かろうじて額を隠しているつもりの毛が舞い上がり、額があらわになってしまうからです。だから、ちょっとした買い物も、必ず徒歩で行きます。もちろん突風なんて恐怖そのもの! だから風の日は外へ出たくないし、小雨だっていやです。すると当然、家に引きこもりがちになってしまいます。そんなふうに、1年365日、そして1日24時間、薄毛の悩みが頭のどこかに絶対的にあるのです。これは本当にたまらなく苦しいストレスでした。

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