“振り袖は着たくない” 固定観念にとらわれない新成人イベントを取材
一生に一度しかない成人式。そんな特別な節目を、固定観念にとらわれず自分らしい服を着て過ごそうというイベント『SEIJIN-SHIKI』が、東京・渋谷で開催されました。 【画像】“ジェンダーニュートラル”な無料イラスト 会場には、2021年から23年に新成人を迎えた約120人が集まり、インフルエンサーとの交流や、ポートレート撮影などを楽しむ様子が見られました。 また、“今後につながるご縁にしてほしい”という主催者の思いから、参加者同士の歓談の時間が多く設けられました。
■“女性”は振り袖、“男性”はスーツという固定観念にとらわれず笑顔に
1年後の自分に宛てて手紙を書いていたのは、性自認が男性にも女性にもあてはまらない“Xジェンダー”の香瑠さん(21)。振り袖は着たくないという理由で地元の成人式は欠席しましたが、このイベントには絶対に参加したいと、北海道から駆けつけました。イベントについて「普段出会えないようないろんな人たちもいて、来てよかった。ありのままの自分でいられる空間だし、白い目で見てくる人が誰もいない。(地元の)成人式に参加しなかったのは自分だけど、節目は大事にしたかったから参加できてうれしいです」と語ります。
ポートレート撮影を楽しんでいたのは20歳の3人組。あやのさん(写真左)、まいさん(写真中)の2人とタカハシさん(写真右)は、会場で知り合い、仲良くなったといいます。 性的感情を抱かない“アセクシュアル”のタカハシさんは「地元にはセクシュアリティーについてオープンにしている友達があまりいないので、楽しめたらいいなと思って来ました。自分らしくいられて気が楽ですし、みなさんキラキラしていて、こういう場を開催してくれてありがたいです」と笑顔をみせました。
■“本当は着たくないけど…” 地元の成人式には「最後の我慢」で参加も
「女性らしくしなければいけないと思って育ってきたので、自分みたいな人がこんなにいるんだって実感できてうれしいです」と話すのは、スーツで参加したまいさん。地元の成人式については「親にとって“振り袖を着る”というのが当たり前で、本当は着たくないんですけど、親不孝になっちゃったらダメなので、着て参加しようと思います」と話します。