京王電鉄が「沿線ウォーキング」を中止 年々高まる人気もマナーに問題
京王電鉄が、10月17日開催分からの「京王沿線ウォーキング」の中止を発表した。京王電鉄は中止の理由として、参加者の歩行マナーに厳しい意見が寄せられたことを挙げている。近年中高年を中心にウォーキング人口が増加し、さまざまなウォーキングイベントが開催されているが、参加者のマナーが問題になることもあるようだ。
苦情に対し、経費や人繰りのめどが立たず
1997年から始まり今年で19年目を迎えた「京王沿線ウォーキング」は、沿線の街並み・自然・歴史などをめぐりながらウォーキングを楽しめることで、根強いファンが多いイベントだった。京王電鉄によると参加は無料で、毎回2000~2500人が参加していたという。 今年度は「水辺に親しむお散歩コース」がテーマで、すでに4回開催されたが、9月下旬に突如、10月以降の4回分をすべて中止にすることが発表された。桜上水駅から笹塚駅まで神田川沿いに歩く9月19日の開催が、イベントの最終回となった。 京王電鉄広報部は、「参加者が道一杯に広がり、通行できない」「うるさい」といった「歩行マナーや運営に対する厳しいご意見・ご要望が多数寄せられてきました」と明かす。京王電鉄は、警備員の配置や運営の社員の増員を行ったものの、対応にはさらに多くの人数が必要となり、手当などの経費や人繰りのめどが立たなくなったことが中止の理由だという。今年度最終回まで開催して負担を拡大するよりも、年度途中でも今中止する判断となったとのことだ。今後イベントを再開するかどうかは未定という。
高まるウォーキング人気、マナーに注意
気軽に始められるスポーツとして近年、中高年を中心にウォーキング人気が高まっている。文部科学省が2013年に行った「体力・スポーツに関する世論調査」によると、この1年間に行ったスポーツとして、ウォーキングが50.8%を占めた。同調査によれば、ウォーキングは1990年代から60代以上の層を中心に人気が高まってきている。これに伴い、多くのウォーキングイベントが開催されるようになってきたが、参加者が増えるにつれ、沿道の住民から苦情が出ているケースも出てきている。