ついムダ遣いしてしまう原因となる深層心理とは?誘惑への対処法教えます
どうすればお金を有効活用できるのか
本書では、自分のお金を有効活用するカギの1つは「自制心」だと述べています。とはいえ、著者が認めるとおり、自制心を働かせるのは口で言うほど簡単ではありません。 パーソナルファイナンスを「責任をもって」管理することは、未来の自分が成功するようお膳立てするということです。 そして、その未来の自分がまるで他人のように思えることが多々あるわけです。 だからこそラクな道を選び、すぐに散財したり、給料から差し引かれる確定拠出個人年金には入らないと決めたりするのです。 未来の自分をもっと自分らしく感じられるようにするためには、その人物について「はっきりとリアルに細かいところまで」イメージしなくてはなりません。 未来の自分と対話してみるのも一案です。 あるいは(退職をゴールとして掲げているのに、思うとおりに事が進んでいないのであれば、)退職するまでの時間の長さではなく、具体的な日付を決めましょう。 つまり、退職するのは「40年後」ではなく「2058年1月12日」だと決めるのです。 また本書では、高齢になった時の自分とコンピューター上で「会う」ことで共感を育てることをすすめています。 ちょっと奇妙に思えるかもしれません。けれども、ほかにも方法が提案されています。 お金が十分にあることが前提ですが、自動化もそのひとつです。 また、罪の意識を利用するのも効果があります(本書では、家計管理用の封筒に子どもの名前を書いておいたところ、罪の意識を感じて支出が減った、というトロント大学ロットマン・スクール・オブ・マネジメントのDilip Soman氏とAmar Cheema氏が実施した研究が紹介されています)。 あるいは「代わりの報酬」を用意してみるのはどうでしょうか。 四六時中、未来の自分について考えるよう無理強いする代わりに、やるべきタスクを完了したらすぐに手に入る小さなご褒美のことを考えるのです。 例を挙げましょう。 アメリカには、定期預金にお金を預けた人に「宝くじ」を提供している州があります。お金を預けるたびに、当選する可能性は低いものの宝くじがもらえるのです。そうした宝くじ付き定期預金プランはうまくいっています。 たとえば、クレジットカードの借金を返済したら「映画を見に行く」ことなどを自分へのご褒美にしてもいいかもしれません。 もちろん、こうしたやり方で問題がすべて解決するわけではありません。 ファイナンスに関しては、個人の行動のみならず、社会的システムも大きな影響を与えています。 こうしたシステムは、多くの状況で、わかりづらく混乱するようにつくられているのです。 しかし、お金に関してよりスマートになるために自らをトレーニングしはじめるならいい方法だと言えるでしょう。 ──2018年3月1日の記事を再編集のうえ、再掲しています。 翻訳: ガリレオ Source: Amazon Alicia Adamczyk - Lifehacker US[原文]
ライフハッカー・ジャパン編集部