2歳女の子のパパ、ぺこぱ・松陰寺。子どもを全肯定する"ぺこぱ育児"が話題に「実際の子育てではぜんぜん無理でした~」
愛犬「のすけ」とはまるできょうだい
――松陰寺家にはママ、パパのほかにもう1匹、のすけくんという犬の家族がいます。 松陰寺 のすけはジャックラッセルテリアという犬種の小型犬。娘が0歳のころ、お昼寝している娘を見守るように隣に座っていて、赤ちゃんを群れの一員として認識したのかな…と微笑ましく思いました。 でもやっぱり、のすけは娘のことを「下」に見ていて。子どもって、なぜかお菓子を食べずにずっと手に持っていることがあるじゃないですか。娘がそうしていると、のすけがパクッて取っちゃうんですよね。それで娘は号泣。大人に対しては絶対にやらないけれど、娘の持っているものは問答無用で食いに行くっていう…。 娘は娘で、ベビーチェアに座って食事をしているとき、のすけのほうにりんごなんかを差し出すんです。絶対にのすけがジャンプしても届かない位置で「ほらほら」って。「こんな高いところだと取れないだろう」って、いつもの仕返しみたいにやっています。 ――きょうだいみたいですね。 松陰寺 娘が泣いたら真っ先に涙をふきに行くのものすけですね。娘は顔をべろべろなめられていて笑っちゃうんですが、2人のきずなが伝わってきます。
実際には「ぺこぱ育児」なんて言っていられないことがほとんど
――『M-1グランプリ2019』出場後は、ぺこぱの漫才にちなんだ子どもを全肯定する「ぺこぱ育児」が話題になりました。実際の育児ではどう応用していますか? 松陰寺 SNSでも話題になっていましたね。いいな、おもしろいなと思っていたんですが、実際には泣きまねしている娘に対し、「涙出てへんやないか」とか、普通にツッコんでいます(笑)。僕自身、家にいる時間が限られているので、ポジティブに変換しないといけないほど、育児をしんどいと思っていない、というのもあるのかもしれませんが。 ただ実際の育児で子どもを全肯定するのは難しいですよね。歯磨きがイヤと言う子に「磨かなくてもいいだろう」とは言えません。 ――歯磨きや寝るのがイヤ、○○を食べたくないなど、子どもが何かをイヤがるときはどんなふうにコミュニケーションをとっていますか? 松陰寺 オーバーなリアクションで興味を引いています。離乳初期のころですが、娘が離乳食をぜんぜん食べてくれなかったんです。それでひと口パクッと食べてみて「うっまっ! 何これ」ってすごくおいしそうにしてみたら、娘は「この人、これを食べたら急に明るくなったぞ」って思ったのか、そこから離乳食を食べだしたんです。 今も、娘が偏食でごはんを食べないときに僕がちょっともらって食べてみるっていうのをやっています。そして「え、このふりかけ、めっちゃうまいじゃん…もっとちょうだい」ってやると、「だめ! 私が食べるの」って急に食欲がわいたりしますね。 そのせいか最近、娘のリアクションも大きくて(笑)。この前、杏仁豆腐をあげたときも「んー、うっま、うっま」って、ひと口ごとにうなずきながら食べていました。 それから娘が嫌いな歯磨きをするときは、思いきり「イー」とやってみせて、娘がまねして「イー」っとしたらそのすきに磨いてしまう。泣いてしまうこともありますが、口を開けているんで奥歯を磨くチャンス。頭をしっかり押さえて、シャカシャカ…とやってしまいます。 ――子どもをのせるのが上手なんですね。ではもしも、怒り過ぎてしまって落ち込んだとき、どう考えればいいと思いますか? 悩むママ・パパは多いのですが…。 松陰寺 うーん、反省してる時点で次は子どもとどうかかわればいいのかって考えていると思うんです。だからそんなに気にしなくていいんじゃないでしょうか。答えが漫才っぽくなっていないですけど、育児はきれいごとばかりじゃうまくいきませんからね。