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地球観測衛星を使って新型コロナの影響を解析 - JAXAとNASA、ESAが公開

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マイナビニュース

変わりゆく地球と社会を理解するため、3機関の衛星と研究者が一致団結

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と米国航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)は2020年6月25日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が地球にもたらす影響について、地球観測衛星の観測データを使った解析結果を公表した。 【画像】ドイツのホワイトアスパラガス作付面積の2019/2020年比較。ロックダウンにより今年は例年より20~30%減少したことが示されている 地球環境や社会経済活動への影響や事象の把握において、客観的な視点や情報としての活用を見込んでいるという。 解析結果はWebサイト「Earth Observing Dashboard」で公開。またJAXA独自の解析結果が「JAXA for Earth on COVID-19」で公開されている。 地球観測衛星のデータでCOVID-19の影響を解析 世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、物流や農業など、人類の社会経済活動へ大きな影響を与えている一方で、大気や水質汚染の改善など、地球環境へも影響を及ぼしていることが知られている。 こうした事態を踏まえ、JAXAとNASA、ESAは2020年4月、それぞれが運用する地球観測衛星のデータを使い、こうした影響について宇宙から捉え、その観測・解析結果を世界に発信するとともに、地球規模の記録として後世に残すことを目的とした協力を開始した。 地球観測衛星は、地球全域を対象に、また定期的に、交通量や大気汚染物質の量など、さまざまな物理量の観測ができる。また、各宇宙機関には過去の観測データの蓄積もあることから、COVID-19の流行前と流行中の現在の比較分析もできる。 解析には、3機関が保有する衛星群のほか、民間の商業衛星のデータも活用された。日本は「いぶき(GOSAT)」、「いぶき2号(GOSAT-2」、「だいち2号(ALOS-2)」、「しきさい(GCOM-C)」、「しずく(GCOM-W)」、そして「GPM/DPR」の6機の衛星データを提供。複数の衛星を活用することで、それぞれの観測データを補完し合うとともに、比較検証を行うことで解析結果の信頼性向上を図っている。 3機関は「大気質」、「気候」、「商業」、「水質」、そして「農業」の5つの分野について解析を実施。そのデータを広く公開するとともに、他の分野の研究者などに利用してもらうことで、より広い分野におけるさらなる理解を進めることを目指すとしている。 ESAの地球観測プログラム局長ジョセフ・アッシュバッカー氏は「今回のCOVID-19の流行は、社会がいかに脆弱であるかを知らしめた。私たちは、宇宙を使っていかに人を助けることができるかを考えてきた。そしてESAをはじめ、NASAとJAXAが運用する、世界で最も優れた地球観測衛星を組み合わせ、この課題に取り組んできた」と語る。 またNASAの科学局長トーマス・ザブーケン氏は「私たちはこの危機にあって、考えを変えなくてはならない。そこで3機関が力を合わせ、この変わりゆく地球と社会を理解するための分析ツールを作り出すことを考えた。この情報を異なる分野の人が利用することで、さらなる社会貢献、価値を生み出すことを期待している」と語った。

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