RIZIN堀口恭司が衝撃KO負けの真実と再戦計画を激白「大晦日にベルトを渡しすぐに返してもらう」
リベンジ……格闘技ファンが大好きなドラマだが、堀口は、そこにドロドロと重々しいモノをのっけようとはしない。 「リベンジと言っても、いち勝負なんです。私情を挟むとよくない。“この野郎!やってやる!”と思ってもいいことがない(笑)。いつもと変わらぬ1試合として、機械的に、いつも通りに戦って結果としてリベンジした。それがいいんです」 これが堀口流のリベンジと言えばいいのだろうか。 実は、堀口のキャリアには2つの黒星がある。2012年に修斗で元王者の上田将勝に判定負け、2015年にUFCのフライ級タイトル戦で王者の“DJ”ことデメトリアス・ジョンソンに腕ひしぎ十字固めで一本負けしたもの。だが、いずれもリベンジの機会がなかった。 「アマでもプロでもリベンジができなかった。上田さんに負けてDJに負けてから一度も交わる機会がなかったんです」 上田に敗戦後は主戦場をUFCに移し、そのUFCでDJに負けてからはRIZINに戦いの場を変えた。運命的にリベンジの糸がつながるチャンスはなかったのである。 堀口にとっては格闘技人生初のリベンジの機会が巡ってくるわけだが、「試練じゃない。いつもプラスにしか考えない、ここで自分をみつめ直しなさい、あらゆることをリセットしなさい、ということ。考え方を変えれば、いい機会。ある意味、負けてよかった。次に派手にぶっとばせばいい」とも言う。 ただ格闘技において再戦は勝者が絶対有利。戦略の上積みにプラスしてメンタルの部分での優位性が影響すると見られる。堀口自身がベラトール王者のコールドウェルに日米で連勝しているのが何よりの証拠。しかも、KO負けを喫した格闘家には、無意識のうちに“恐怖”が植え付けられる。 だが、堀口が「怖い」と漏らしたのは、意外なものだった。 「不安はない。負けることを怖いと思っていない、リングへ上がることも怖くない。ただ周りの人の涙が怖いんです」 怖いのはチーム堀口の日米の仲間をはじめとした応援してくれている人々の涙。誠実で気遣いを忘れない堀口らしい。 「失ったものは何もない。周りを悲しませたことだけ。いつでも自分は捨て身」 もし大晦日に再び朝倉と相まみえることになれば、ゴング前にリング上でひとつやっておきたいことがある。堀口はRIZINバンタム級のベルトを朝倉に渡したいという。 「あの試合は、ベルトがかかっていなかったけれど、今のチャンピオンは君だから、と言って、まずは彼にベルトを渡して、その後、すぐに返してもらいます」 ちなみに榊原実行委員長は「再戦ではRIZINのベルトを賭ける」と表明している。 最後に堀口に問うた。 再戦はどんな試合になりますか? 「たぶん、一方的になると思う。打撃も、寝技も混ぜる。総合で勝負する、そうなると引き出しの多さは自分にある。結果は違うものになる」 堀口は練習本拠地のある米国フロリダへ9月3日に旅立つ予定だ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)