高レベル放射性廃棄物の地層処分 文献調査報告書の説明会 北海道寿都町皮切りにスタート
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は30日、文献調査が行われていた北海道寿都(すっつ)町で調査報告書の説明会を初めて開催した。約50人の町民が出席し、質疑応答も活発に行われた。説明会は来年2月19日まで道内16カ所で全20回開催される。 説明会ではNUMO側が最終処分地選定にかかる事業概要とともに、寿都町と神恵内(かもえない)村で約4年かけて実施していた文献調査について、寿都町は全域、神恵内村は南端の一部を次の段階にあたる概要調査の候補地などとする結果を報告した。今後の作業プロセスや概要調査の方法なども紹介した。 参加した町民からは報告書のデータの取り扱いなどについて40件以上の質問があがり、NUMO側は「今後も安全性を確認しながら丁寧に説明していきたい」などと回答があった。 最終処分地の選定に向けては、3段階のうち第1段階にあたる文献調査が2020年11月から寿都町と神恵内村で実施され、今月22日に報告書が両町村と北海道に提出されていた。 概要調査に進む場合、北海道知事の同意が必要となるが、鈴木直道知事は「道の条例趣旨を踏まえ、現時点では概要調査に進むことに反対という立場に変わりはない」としている。 調査が行われた寿都町の片岡春雄町長は「住民投票で答えを出す」、神恵内村の高橋昌幸村長は「村民の意見を十分に踏まえて慎重に対応する」とのコメントを出している。 報告書は北海道庁本庁舎と寿都町役場、神恵内村役場、道内14振興局などで公開している。(坂本隆浩)