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猛暑の夏に必携 ソニーの「着るエアコン」試してみた

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NIKKEI STYLE

日本を代表するエレクトロニクス企業であるソニーが、その最先端技術を投じたポケットサイズの“着るエアコン”「REON POCKET(レオンポケット)」を2020年7月1日に発売した。本機をどのように使用するのか、果たしてその効果はどうなのかレビューしたい。 「着るエアコン」を装着した写真はこちら

■冷感・温感を得るためだけのウエアラブルデバイス ソニーから発売された新しいウエアラブルデバイス「REON POCKET」は“着るエアコン”のような使い勝手を実現した、夏の暑さ対策に必携のアイテムだ。 レオンポケットはワイヤレスマウスのような大きさ・形のウエアラブルデバイスだ。重さは約89グラム。端末を専用インナーウエアの背面ポケットに装着し、機器底面のパネルを直接肌に当てて首元を冷やしたり、温めたりする。ソニーで本機を開発した担当者は、その冷温感について「首元に接触した状態が最も高い効果が得られる」ため、このような装着スタイルになったと説明する。 レオンポケットを身に着けた後は、専用のスマホアプリから端末を操作する。冷温感ともに4段階から強度を調節すると、首元に触れるシリコンで覆われたパネルが冷たくなったり、温かくなったりする。パネルの内側には電圧をかけることにより発熱/吸熱(冷却)する「ペルチェ素子」という小型電子部品が組み込まれている。この部品がいわば本機の心臓部だ。 吸熱時に部品の反対側が熱を発するため、空冷ファンを使って内部にたまる熱を逃がす。この仕組みに、ソニーがデジタルカメラやスマートフォンなどの小型エレクトロニクス機器の冷却で培ってきたノウハウが投入されている。 肌に直接触れて使うので、ソニーでは温める際に低温やけどが発生しないように数百回のシミュレーションを繰り返して検証してきた。冷やすほうについても、医師など専門家の知見を借りながら安全設計に万全を期した。 レオンポケットは30分連続して使うと自動で電源を停止する。さらに本体に内蔵する複数のセンサーが運転中の温度を常時監視。冷温を制御するソフトウエアに万一トラブルが発生しても、ハードウエアの電源を強制終了させて安全を最優先する仕組みを採用している。 ■ぬれたハンカチを首に当てているような涼しさが、長続きする 筆者は本機を購入し、ほぼ毎日使っている。自宅ではエアコンで涼むこともできるが、外出する際にはレオンポケットが手放せない。 レオンポケットの冷え方は多くの方が関心を持つだろう。しかしソニーでは具体的に「何度くらいまで冷える」といった表現をしていない。あくまで筆者の体感によるイメージを伝えると、ちょうど水でぬらしたハンカチを首元に当てているような涼しさだ。アプリから強度を最大にすると、冷え方は氷に少し近づく。そして2分間の時間制限がかかる。気温が30度前後を行き来するような季節であれば、冷感設定は「1」から「3」の間でも十分に汗が引く。 水でぬらしたタオルやジェル状の冷感素材などを首元に当てていると、しばらくたつと体温でぬるくなってしまうし、着ている服もぬれる。そして氷を首元に直接当てると冷たすぎる。レオンポケットの場合、動いている間は程よい冷感が減衰せずに持続する。冷却時の動作時間は約2.5時間(温度設定レベル最大の場合)で、温熱時の動作時間は約2時間(同)となっている。1度の連続使用は30分間に限られるものの、繰り返し使えるため経済的でエコフレンドリーだと思う。実勢価格は1万3000円前後(8月上旬、家電量販店価格を確認、税別、以下同)だが、夏の間使えば十分に元は取れそうだ。暑さ対策の強い味方になるだろう。 ■専用インナーウエアのバリエーションが欲しい レオンポケットを身に着けるには1着1800円前後(実勢価格)の専用インナーウエアが必要になる。着替えは数着用意しておきたいので、初期投資が意外にかさむ。また、このインナーウエアは大人の男性向けしかないため、女性や子供は身に着けられない。デザインがいかにも肌着っぽいため、夏の暑い日にはレオンポケットを直接着けて出かけられるポロシャツやTシャツのようなバリエーションも必要だろう。 レオンポケットはスマホが近くになくても、本体のボタンを約2秒間押せば、「クイック起動」の動作としてアプリで指定した冷感・温感の状態で素早く立ち上がる。起動後も冷温感の調節をボタンで上下するなど、本体だけで操作できることを増やしてもらいたい。 まだ粗削りな部分もあるレオンポケットだが、使い込むほど画期的な商品であることが実感できる。ソニーが提案した「手のひらサイズの着るエアコン」が他社の開発意欲を刺激し、夏の暑さ対策につながる面白い商品が次々生まれてほしい。 山本敦 フリーランスライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経て独立。AI・IoTに関わるスマートオーディオ、4KにVODまで幅広いカテゴリーに精通する。堪能な英語と仏語を活かし、国内から海外のイベント取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。

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