また起きてしまった米兵による交通人身事故。「被害者死亡」でも身柄拘束ナシの理由とは?
ただ、くだんの事故が起きる直前の17日に沖縄で行われた地方演説会では、石破茂候補が「台湾有事は日本有事。日米地位協定の改定には着手すべき。基地は共同管理にする」と踏み込んだだけで他のどの候補も本質的な議論は避けた。 地元出身の小泉進次郎候補でさえも、「私は、神奈川県の横須賀市という、米海軍の大きな基地がある街で育ちました。基地という存在を逆手にとって、地元住民の生活を向上させたい。その思いはまったく同じです」と述べるにとどまった。 昨年12月には、静岡県富士宮市内で2名の死者を出す交通事故を起こし、過失運転致傷罪で禁錮3年の刑が確定して服役中だった米海軍横須賀基地所属の海軍大尉が、刑期の半分の時点で米国に移送され、翌1月に釈放されている。司法の独立や法の下の平等を歪める突然の不可解な"恩赦"に、日本国民からも怒りの声も上がった。 ただ、「もの言わぬ」対米外交が続く限り、在日米軍関係者との事故に巻き込まれて理不尽な思いをする国民はあとを経たないだろう。 文/安藤海南男 写真/米海軍公式サイト、安藤海南男、photo-ac.com