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「VMware」の名を変える必要はない--ヴイエムウェアの実態は何か

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ZDNet Japan

 VMwareの年次カンファレンス「VMworld 2020」は、初の完全オンライン開催となったが、多くの技術や製品、サービスが発表されたことに変わりはなかった。そして例年、このイベントで発表される内容がVMwareの事業範囲を広げ、企業としての進化を示し続けてきたように、今回のVMworldもVMwareの進化の片りんを見せる内容になったといえるだろう。どんな変化が見られたのだろうか。  VMworld 2020では、vSphereに関するアップデートをはじめ、数々の製品やサービスが発表された。だが、それらの発表によって同社がKubernetesを中軸に据える姿勢は、昨年以上に強まったといえる。  「KubernetesがマルチクラウドにおけるAPIの業界標準になった」と、CEO(最高経営責任者)であるPat Gelsinger氏が発言したように、Tanzuにエディションを新設してさまざまな企業が最適な形で導入できるようにしたことや、「vSphere 7 with Tanzu」によって、仮想化されたアプリケーションのみならずコンテナー化されたアプリケーションの実行にも最適なプラットフォームへとvSphereが進化した。「システム管理者がトレーニングを必要とせずに、エンタープライズクラスのKubernetesを使用できるようになる」(Gelsinger氏)と強調して見せた。また、「Project Antrea」も発表。Kubernetesをサポートするネットワーク機能を強化するなど、Kubernetesを取り巻くさまざまな機能を発表した。  最高執行責任者(COO)であるRaghu Raghuram氏は、「Kubernetesは、企業がエンタープライズソフトウェアを開発する上で、重要なものとなっている。クラウドを選ばず、モダンアプリケーションを実装できる環境を実現する」とし、「もともとVMwareはインフラ企業だったが、その延長線上にあるのはアプリケーションの実装だけでなく、必要なものをお互いにつなげるといった役割だ。そうした点から見れば、Kubernetesへの取り組みは自然な動きだ。VMwareはそこに投資をしている」と話す。  もう一つ今回のVMworld 2020で捉えておきたい動きが、デベロッパーとITオペレーターとのギャップを埋める取り組みだ。VMwareは、2019年に、PivotalおよびHeptioなどを買収、Kubernetesを軸に、エンタープライズデベロッパーとの距離感を一気に縮めてみせた。  9月に開催したSpringOneには、4万1000人が参加。開発者とCIO(最高情報責任者)やIT部門が会話をする機会を創出したが、今回のVMworld 2020そして11月開催予定のKubeConも、同様に開発者とITオペレーターとのギャップを埋めるための仕掛けと位置付けている。Raghuram氏は、「開発者とITオペレーターをつなぐ取り組みは、まだ始まったばかり」としながらも、「エンタープライズ開発者のコミュニティーに近づく取り組みはこれからも注力し、VMwareはいい位置にいる」とする。  今回、新たにGitLabとのパートナーシップも発表した。これもアプリケーション開発者とITオペレーターを連携させる取り組みの1つと捉えることができ、この実現に向け「GitLab with Tanzu」を通じて、CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)パイプラインを効率化し、本番環境への展開を一貫して迅速に行えるように支援する。Raghuram氏は、「開発者はインフラ周りを気にせず開発に注力できる」と述べている。  また、VMworldの開催直前にNVIDIAとの提携が発表され、その取り組みがProject Montereyにも反映されることになる。同社では「エンタープライズにおけるAI(人工知能)採用率は10~15%にとどまっているが、Project Montereyによって、このような状況が今日から変わり、あらゆる企業でAIが活用できるように支援する」(Gelsinger氏)とする。企業へのAI実装を促進する取り組みと位置付ける一方で、「NVIDIAとの協業で世界の200万人以上のCUDA開発者との連携が強化される。AIやML(機械学習)の開発者との関係が強固になる」(Raghuram氏)という動きも見逃せない。つまり、開発者とITオペレーターとのギャップを埋める取り組みは、VMworld 2020における大きなテーマの1つだったといえる。

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