【40代・50代「更年期治療」をアップデート!⑨】40歳過ぎて女性ホルモンが減ってきたら、絶対「骨ケア」! 骨粗しょう症を防ぐ決め手は「ビタミンD」
更年期以降は、サプリメントや処方薬を人生のパートナーに
「補足ですが、折れない骨とは強度が高い骨のこと。骨の強さにはふたつの要素があって、よく言われる骨密度が7割。残りの3割は『骨質』です。骨粗しょう症の指標となる骨密度も重要ですが、骨質にも気をつけるのが理想的。 ただ、骨密度は測れますが、骨質は一般的には測定するのは困難。では何を指標にするかといえば、生活習慣病の検査です。骨質の劣化は老化物質AGE(終末糖化産物)の蓄積や糖尿病、動脈硬化などと密接に関係しているため、生活習慣病関連の検査結果を見れば骨質がどうなっているかが推定できます。 実際、私のクリニックでは、骨密度だけではなく骨質を意識した治療も行っています。 生活習慣病の指導と同時に、更年期世代の骨粗しょう症の治療薬では、骨密度だけでなく骨質の改善が期待される『サーム(SERM)』や『エディロール』を処方したりもします。 骨は数年で生まれ変わります。なかなか元に戻りにくい血管よりも、骨は若返りがしやすいということ。骨密度も骨質も改善しますから、骨の健康回復は諦めずに希望を持って」 サプリも薬もいやだという人もいるかもしれないが…。 「これだけ寿命が長くなっている以上、更年期に自身の努力だけで骨や血管を守るのは相当に困難なことだといえます。だからサプリも薬も賢く利用して。 よく、骨を強くする薬を出すと『一生飲むんですか』と聞かれます。『飲むんです』と私は答えます。ライフスタイルを変えることと同時に、今からできることをしましょう。 サプリが怖い人は、どうして怖いのかを自分に問いかけてみて。『なんで怖いの?』と今一度聞いて、もし添加物が怖いのだったら添加物の少ないサプリにしましょう。処方薬の副作用が怖いのだったら、副作用に気をつけて処方してくれる先生を選ぶといいと思います。 必要なものは、一生のパートナーとして使っていきましょう」
【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) イラスト/Shutterstock 取材・原文・画像制作/蓮見則子
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