Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

コロナ禍で激化する米中対立(後編)

配信

Wedge

 前編では、コロナ禍に乗じて南シナ海の支配を強化する中国、なんと言われようと、なんと見られようとも構わない、どんな時でもどんな状況でもどんなやり方でも、自国の利益を確保する中国の姿勢について論じた。後半では、これに対する米国の対抗策について考える。

米国で浮上する中国とのサプライチェーン切り離し議論

 当然、こうした世論の動きを選挙区の有権者からの陳情や対話を通じて敏感に感じ取っている連邦議員たちの間にも対中強硬路線は浸透している。  その顕著な例が共和党の議員を中心に出ている中国とのサプライチェーン切り離しを目指す動きだ。米国がコロナ対策において大量のマスクを中国からの輸入に依存したことは記憶に新しいが、実は風邪薬や頭痛薬、解熱剤など、生活に密着した日常の医薬品でも中国に依存している事実はあまり知られていない。  米国を代表するシンクタンク、CFR米外交評議会によると、米国内で消費されている抗生剤の97%、感冒薬の多くに含まれているイブフロフェンの95%、アセトアミノフェンの70%が中国製だという。  共和党議員たちの間では、これまでハイテク部品やAIといった先端技術に関わるサプライ・チェーンの切り離しを目指す動きはあったが、新たに、医薬品も国家安全保障にも関わる重要物資だとして中国企業への依存から脱却するための法案が提起されている。  当然、肝心の新型コロナ問題でも中国政府の初動の検証を求める動きが出てきており、当面の感染対策にメドがつけば、独立調査委員会が設置され、米議会が調査に乗り出す可能性は非常に高い。  米政治オンラインメディアPoliticoに掲載された、共和党お抱えの政治コンサルティング会社がまとめた大統領選に向けた指南書には、中国が感染拡大の原因であること、民主党が中国に甘いことを強調すること、そして中国の初動の調査に共和党が乗り出すことを、有権者に強調すべきだと指示されている。  こうした動きは超党派のものになっている。中国に対して甘い、と言われてきた民主党のバイデン候補ですら、トランプ大統領の初動を批判するビデオ・メッセージの中で、中国による初動対応を問題視し、独立した国際的な調査が必要だと訴えている。  発生源としての中国の責任を問う流れは、もはや米国政治において超党派のコンセンサスになりつつあるのだ。

【関連記事】

最終更新:
Wedge