赤字の伊予鉄「坊っちゃん列車」存続へ、市民アンケで「継続希望」8割…メンテ費補助拡充の方針
伊予鉄道の観光列車について話し合う「坊っちゃん列車を考える会」の3回目の会合が28日、松山市役所で開かれ、市民アンケートの結果が報告された。運行の継続を望む声が回答者の8割近くに上り、市は「必要性と公共性がある」と判断。メンテナンス費用の2分の1を補助する意向を明らかにした。考える会は今回で終了となる。
野志克仁市長や伊予鉄グループの清水一郎社長、銀行、観光団体の代表ら約10人が参加した。
市の担当者はアンケート調査の結果を報告。アンケートは、無作為に抽出した18歳以上の市民2000人を対象に6、7月に郵送で実施し、840人から回答を得た。運行については「ぜひ続けてほしい」が32・5%、「どちらかと言えば続けてほしい」が43・6%で、継続を望む声が76・1%に上った。中止を望む声は15・2%だった。
運行赤字の負担については「全額税金を使った負担が必要」が2・1%。「一部税金を使った負担が必要」が31・1%で、「他の方法で資金を確保すべき」が28・3%、「負担しなくてよい」が23・0%となった。
市は現在、列車の法定検査(3年に1回)費用の3分の1について、400万円を上限に補助しているが、調査結果を受けて増額を検討。法定検査費用に、通常のメンテナンス費用を加えた額の2分の1とする方針を示した。
野志市長は「必要性、公益性を議会や市民に丁寧に説明していく」と述べ、伊予鉄グループと詳細を決めたうえで、新年度予算での計上を目指す。