日産ジューク・ハイブリッド・ラリー・トリビュート登場 1971年東アフリカラリーへのオマージュ
強い支持受けワンオフで実車化
日産が昨年6月にイメージ画像を発表した、50年前の東アフリカラリーへの参戦を記念するモデルである「ジューク・ハイブリッド・ラリー・トリビュート」が実現を果たした。 【写真】日産ジューク・ハイブリッド・ラリー・トリビュート 画像で詳しく見る (86枚) このモデルはコンセプトの公開後強い支持を受け、ワンオフの実車として完成したものだ。ジューク・ハイブリッドが今夏に欧州に導入されるのを前に公開された。 市販モデルと同じハイブリッドのパワートレインを搭載しているとのことだ。 日産のコラリー・ムシーは、次のように語っている。「このモデルはわたしたちの楽観的かつ大胆な考え方を象徴しています。わたしたちは新型ジューク・ハイブリッドの導入に向け、ジュークの歴史に新たな章を準備しています」 「ジュークの象徴であるクロスオーバーに期待される興奮と俊敏製を提供し、性能と効率性を向上させています。このラリー・トリビュートはその遊び心あふれるキャラクターを新次元に引き上げます」
市販車と同じHVパワートレイン
ジューク・ハイブリッドのパワートレインは、ハイブリッド用に開発された日産の新世代エンジンで構成されている。最高出力は95ps、最大トルクは15.1kg-mだ。 これに組み合わされるモーターは50ps、20.9kg-mを発生する。また高電圧スターター・ジェネレーターから21psが供給される。 このパワートレインは現行のガソリンエンジンよりもシスてム全体で25%のパワーアップを果たし、燃費はアーバンサイクルで約40%、複合で20%低減しているとのことだ。 またモータースポーツから着想を得た新しいギアボックスを搭載し、エンジン側4速とEVに2速を持たせている。発進は完全に電気で行い、2つのモーターによりギアを同期させることでスムーズな加速を実現する。
240Zをイメージしたデザイン
今回登場したラリー・トリビュートは、半世紀以上前にデザートラリーで活躍した240Zから着想を得たものだ。 最もわかりやすいポイントは専用のオフロードタイヤを装着するために拡大されたホイールアーチだろう。さらにボンネットとルーフにも50年前と同様のライトが取りつけられている。 そして黒いボンネットや黒いホイール、スポンサーロゴとゼッケン「11」も240Zのラリーカーをイメージしたものだ。 強化されたロングトラベルのサスペンションを四輪に装備し、厳しい路面状況でも安定して走行できるという。 タイヤは265/70R16で、あらゆる状況でグリップとトラクションを発揮できるとのことだ。
ラリー専用装備も多数
インテリアにはロールケージが装着され、ボディ剛性を高めるとともに厳しい環境下でのクラッシュ時に乗員を保護するための改良が施されている。 リアシートは取り外して代わりにスペアタイヤが搭載されており、ドライバーとナビゲーターを支える4点式ハーネスも追加されている。 その他、競技用消火器やインターホンシステム、アルカンターラのステアリング、ハイリーチ・ハンドル付油圧式ハンドブレーキなども専用装備だ。 またこのプロジェクトの一環として、ラリーの楽しさを追求しつつもできる限り環境に配慮するため、1971年のラリーでもパートナーであったシェルの潤滑油とバイオ燃料が使用されている。
AUTOCAR JAPAN(執筆/翻訳)