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白服集団のデモ参加者襲撃で、護身術教室が人気 香港

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The Guardian

【記者:Verna Yu】 「基礎的な技術を身につけて襲撃者から自分の命を守ろう」。スポーツ・セラピストで空手の達人であるヘンリー・チョンさんは護身術教室の初日、生徒らにこう呼びかけた。  この護身術教室は先月、香港の北西部に位置する元朗区で無防備な市民らが襲撃された2日後から始まった。参加者のほとんどが20代から60代の女性だ。  世界で最も安全といわれた香港の地位は、7月21日に発生した白服の一団による市民襲撃によって揺らいでいる。つえや棒を手にした白い服を着た男たちは、郊外の駅で日曜日の夕方、無差別に乗客らに襲い掛かった。乗客の中には香港島で行われた大規模抗議活動から帰宅途中の参加者も含まれており、少なくとも45人が負傷した。  その場で逮捕者が出なかったこともあり、当局に対する怒りが広がった。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、香港警察が抗議活動の報復として暴漢らと結託していたのではないかとの疑惑を強く否定した。警察は7月末、違法な集会を催したとして12人を逮捕した。  襲撃から数日たたないうちに、香港各地で無料護身術教室が開催されるようになった。人々はおびえ、これまで香港とは無縁だった暴力的な攻撃と折り合いをつけようとしていた。  チョンさんの護身術教室に参加していた主婦のジェシカ・チューさん(45)は「ここ数か月で起こった出来事はあまりにも現実離れしている。ここが香港だなんて信じられない」と語る。「今回の襲撃で誰もが恐怖を覚えた。安全に対する信頼感は壊されてしまった」  中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をきっかけに6月9日に始まった抗議活動は、過去数十年で最大の政治的危機を引き起こしている。多くの人は改正案が成立したら、政府批判をすると中国で裁判を受ける恐れがあると考えていた。だが、最近では普通選挙を求めるより広範な活動へと変化している。また、週末の抗議活動はここ2週間ほど、暴力的な衝突に発展している。  護身術を習うのは、もはや警察を信用できないからだと言う人もいる。アジア随一のプロ集団と呼ばれた香港警察は、もはや市民を守る存在だとは見なされていない。  護身術を習っている市民は、襲撃に屈したくはないと話す。中には将来抗議活動に参加するために護身術を習っていると話す人もいた。  舞台俳優のべリンダ・チャンさんは「事態は徐々に暴力的になっているので、自分の身は自分で守る必要がある。これからさらに多くの人が抗議活動に参加すると思う」と語った。【翻訳編集】AFPBB News 「ガーディアン」とは: 1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

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