Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

【青山尚暉のわんダフルカーライフ】ドライブ旅行におけるドッグカートの利便性を検証してみた

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
レスポンス

ドッグカートは近所のお散歩はもちろん、ドライブ先やショッピングセンター内の移動に大活躍。カフェやレストランでのマイシートとしての利用価値も大きいと言える。シニア犬にとっては、外出の機会を増やすことができ、また、店内に犬を同伴する際、「抱っこまたはカートに入れて」という条件があっても、スイスイと入っていくことができ、カフェやレストランでは、飼い主と変わらない目線でテーブルの上を眺めることができるメリットがあったりする。 関連画像を見る そこで、市販のドッグカートの中でも、定評あるベビーカートメーカーが展開するドッグカート数種をテスト。主に、クルマへの積載性、折り畳み性能について、検証してみた。 というのも、わが家のジャックラッセルのララはもう8歳、いや、11月には9歳になり、立派なシニア犬の仲間入りである。災害時の移動、避難生活での便利さも考え、そろそろドッグカートの導入を検討しなくては、ということになったのだ。ポイントは、ララの「普段のお散歩は、まだまだ足腰健康だから(ご飯を作っていると、1mはジャンプして喜んでいるぐらい)、運動好きなジャックラッセルとしては、歩いたり、ドッグランで走ったりするのが基本。ドライブ旅行や緊急時に役立つドッグカートにしてね」という意見を尊重したドッグカート選びである。 ◆まずは2タイプのドッグカートを調べ上げる まずはドッグカートを調査。そこで分かったのは、ドッグカートには大きく分けて2タイプあるということ。ひとつは、キャリー(コットと呼ぶメーカーもある)とフレームが一体になったものだ。メリットとしては、軽量化が可能になり(キャリー部分のフレームがないため)、折り畳み性能に優れたものがあるということ。中にはハンドル、フレーム、車輪を含め、パタパタ、軽々と3つ折りにでき、極めてコンパクトに畳めるタイプもあったりする。 もう一つは、キャリーとフレームが分離するタイプ(高級品に多い)。キャリーだけを後席のチャイルドシート用ISOFIXアンカーに取り付けられるものもあり、クルマとの相性は良さそうに感じられる。ただし、キャリーが独立して使えるよう(クルマへの装着、ショルダーベルトによるショルダーキャリー化)、キャリー部分にも強固なフレームが必要となり、重量がかさむのと同時に、キャリーの脱着機構、重量に対するフレームの強化などによって、折り畳み時に、キャリーとフレームが一体になったタイプと比較して、かさばることもある。 また、車輪の大きさも、車載時の収納性に大きくかかわってくる。ドッグカートの中には、車輪が大きく、クルマや自転車のタイヤのように、車輪に空気が入る高級なタイプもあり、走行性能、乗り心地面で有利な反面、折り畳んだ時にはそれなりのスペースが必要になったりする。 あくまで“わんダフルカーライフ”でのドライブ旅行先の使用、ラゲッジルームへの積載性…という観点からは、なるべくコンパクトに折りたためるタイプが好ましいと思えたのも本当だ。特にわが家のようなコンパクトワゴンの場合、キャリーとフレームが分離するタイプでは、フレームとキャリーを積み込むとすると、別々に置く必要があり、相当なスペースを占領してしまうのだ。 ちなみに、キャリーとフレームが分離するタイプの折り畳み時寸法は、一例として、キャリー部分が幅33cm、長さ67cm、高さ51cm、フレーム部分が幅30cm、高さ82cm(モデルによって異なる)。高級なモデルになると、重量が10kg以上になることもある(計量モデルで約6kg)。 一方、キャリーとフレームが一体式の例では、幅39cm、奥行26cm、高さ100.5cmのサイズに畳めて、それだけを細長く積載可能。キャリーの耐荷重12kgのモデルで重量は4kg台と軽量だ。 ちなみに、ラゲッジスペースの幅の都合でフレームを真横に積めない場合、斜めに積めばいいじゃないという意見もあるのだが、そうなると、キャリーバッグなどといっしょに積みこむケースでは、最上段に積むしかない。すると、カーブや山道などで折り畳んだドッグカートがグラグラ動いてしまい、危険である。できれば他の荷物と一緒にフロアへ直に置くのが理想だ。 例えば、ラゲッジスペースのホイールハウス間の寸法が足りなくても、手前のスペースなら、ホイールハウスがないため、幅に余裕があることも。ならば、畳んだドッグカートを手前に積むことで解決する。考えてもみれば、ドライブ旅行の際、旅先では、キャリーケースなどの荷物より、ドッグカートを先に使うことになるはずだ。ドッグカートをラゲッジスペースの手前側に積みこむのは、理にかなっているではないか! ◆分離するタイプならキャリーを後席に固定することが出来る しかし、ここまでは、あくまでドッグカートのサイズ、スペックを机の上、あるいはクルマのラゲッジスペースに積みこんだだけの検証に過ぎない。実際にドライブ旅行に出かけ、旅行先で使ってみなければ、その真価は分からない。 というわけで、今回、ジャックラッセルのララ(メス、8歳、体重9kg、体高35cm、体長55cm)とともに、ドッグカートを携え、日本有数のドッグフレンドリーリゾートでもある軽井沢へのドライブ旅行に出発。ケース1では、大型ステーションワゴン、ボルボ『V60』にキャリーとフレームが分離するタイプを積み込み、現地で使ってみた。 キャリーとフレームを別々に積み込む必要はあるものの、ラゲッジルームは奥行約1010mm、最小幅約1020mm(タイヤハウス間)と、ちょっとかさばるサイズのフレーム部分とキャリー部分の2つと、飼い主用の機内持ち込みサイズのキャリーケース2つ、犬の荷物などを積みこんでも余裕の余裕。キャリーのカバーを開けておけば、そこもちょっとしたお散歩グッズ、スニーカーなどの小物を入れられることも判明した。 キャリーをチャイルドシート用のISOFIXアンカーやシートベルトで後席に固定できるタイプであれば、後席にしっかりと固定し、愛犬を乗せることも可能。そうなれば、ラゲッジにはフレームだけ積み込めばいいわけで、スペースにさらなる余裕が生まれる。 軽井沢では、ドッグカートのスムーズな走行性能、ガッチリと固定されたキャリー内の居心地、乗り心地の良さに、ドッグカート初体験のララも大満足のようだった。空気入りタイヤモデルなら、乗り心地も高級車並みに!? 快適なはず。 また、テストしたドッグカートの場合、目的地となった愛犬同伴型リゾートホテルのレストランのテーブルの高さと、キャリーの高さがちょうど良かった。テーブルに並ぶ飼い主用のメニューを、ドッグカートに乗ったままのララは、目と鼻で堪能!? し、いっしょに食事を楽しむことができたのである。ララの経験では「ドッグカートによっては、キャリーが低めにセットされているものもあり、食事中、テーブルの上が見えにくく、それが不満でわんわん吠えまくり(要求吠え)、周りのお客さんに迷惑をかけていたコもいたわん」とのこと。 よって、キャリーの位置が比較的高いものを選ぶと、お散歩中の景色の見え方の良さとともに、テーブルの上が見やすい、犬目線での満足度の高さ、メリットもあるようだ。 1点、気になった点を挙げれば、ランチ時に訪れた、ペットがキャリーの中に入っていれば店内同伴OKという、旧軽井沢の地元で評判のお蕎麦屋さんに立ち寄ったときのことだ。お店が狭い急階段を上がった2階にあり、一人がララを抱っこして階段を上り、一人がドッグカートを抱えて階段を上ったのだが、さすがに重量10kgを超えるドッグカートを携えて急階段を上り下りするのは、体重9kgのララが乗っていないとしても、けっこうな重労働だった(体力、筋肉自慢の人ならOKだろうが)。 ◆一体式なら旅行先でも軽々持ち運べる ところで、翌週も、まったく同じ目的地、軽井沢を、ケース2として、コンパクトステーションワゴン、VW『ゴルフ ヴァリアント』で目指した。 持参したドッグカートは、前回とは違う、比較的廉価なキャリーとフレームが一体式のもの。ボルボ V60ほど広くないラゲッジスペースながら、ギリギリ真横に積み込むことができた。 そして、またまた、軽井沢でも数少ない、例の店内ペット同伴可能な急階段がある蕎麦屋さんに再訪したのだが、一人がララを抱っこし、一人が重量4.4kgでしかないライトウェイトなドッグカートを、キャリーとフレーム一体でパタパタとコンパクトに折り畳み、片手で軽々と携え、快適に2階のフロアへとアクセスできたのである。旅先での使い勝手では、こちらのタイプの便利さがなかなかだと思えた。 ◆ドッグカート選びはクルマ選びと同じ こうして、2タイプのドッグカートを2回のドライブ旅行で実際に使い、検証した結論としては、キャリーとフレームが分離でき、なおかつキャリーを後席に確実に固定できるマルチユースな高級ドッグカートは、普段のお散歩にはもちろん、ドライブ旅行という条件下では、比較的ラゲッジスペースに余裕あるクルマでのドライブ旅行にはぴったり。 愛犬が安全に後席でドライブ旅行を楽しめることと、空気入りタイヤモデルであれば、もちろん、愛犬が素晴らしく快適にドッグカートでの移動できるであろうことも確認できた。 一方、キャリーとフレームが一体式、かつ軽量でフレーム部分が簡単にコンパクトに畳めるタイプは、コンパクトなクルマにも積みやすく(別途、愛犬の安全な乗車のために後席用ドッグベッドなどを用意する必要はあるが)、特に旅先でのオールマイティーな使い勝手に優れていることが分かった。家の玄関内に置くにしても、サッとコンパクトに畳めるのは嬉しいではないか。 さて、どちらのタイプがよりそれぞれの飼い主にとって、愛犬にとって便利かは、所有しているクルマ (ラゲッジスペース)のサイズや人と犬の乗車フォーメーション、どんな場所を訪れるかで決まるだろう。とにもかくにも、中小型犬の場合、ドッグカートに乗せることで、ショッピングセンターやレストランなど、愛犬との行動半径が広がることは間違いない。 そして何よりも、ドッグカートは災害時の愛犬用簡易シェルター、徒歩での避難移動手段にもなりうる。わが家のドッグカート導入は、お散歩用というより(まだララが元気なので)、その意味合いが大きいのである。 そうそう、ドッグカート選びは、クルマ選びと同じ。販売店やショールームで実際に愛犬を乗せ、押してみて、走行性能や小回り性、キャリーの通気性、ドックグッズなど小物の収納性、畳んで運ぶ際の重さ、そしてクルマへの積載性においても重要な、折り畳みのしやすさ、畳んだ時のサイズなど、乗り心地だけは愛犬に任せ、確かめることが大切ではないだろうか。 青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー 自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、ラジオ番組の出演、イベントも手がけ、愛犬との安心快適な自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動、自動車用ペットアクセサリーの企画・開発も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

レスポンス 青山尚暉

【関連記事】