U-22日本代表の秘密兵器!食野亮太郎の痛快無比なシンデレラボーイ物語とは?
ターニングポイントは今年1月から2月にかけて行われた、開幕へ向けた沖縄キャンプで不意に訪れた。ガンバがJ3に参戦させている、U-23チームの森下仁志新監督から告げられたフォワードへのコンバート。時間の経過とともに、新しいポジションの楽しさがわかってきたと食野は笑う。 「仁志さんに熱く指導していただき、僕自身も頭をフルに使いました。自分の特徴はドリブルやったんで、フォワードはそれをゴールに向かわせればいいだけのポジションだと思うようになった。サイドハーフはゲーム作りもしなきゃいけないけど、フォワードになったことでそういう点が頭のなかでより整理された。その意味でもフォワードになってよかった、と思っています」 開幕を前に振り分けられたU-23チームで、出場7試合で8ゴールをゲット。潜在能力を開花させた食野は4月下旬から宮本恒靖監督に率いられるトップチームに加わり、5月11日のサガン鳥栖戦の後半終了間際に待望のJ1初ゴールをあげる。ドリブルで中央を突破し、迷うことなく右足を振り抜いた。 その後も2つのゴールを積み重ねた食野に、2度目のターニングポイントが訪れる。プレミアリーグを連覇している強豪、マンチェスター・シティFCから届いた青天の霹靂にも映るオファー。就労ビザが降りない関係で他国への期限付き移籍が確実でも、食野は移籍を即決した。 「確かに驚きました。ただ、いまもそうですけど、あのときも自分に対して自信をもっていたので、何も臆することなく挑戦しようと決めました。僕には失うものが何もないので。(宮本監督には)説得もしていただきましたけど、最後は自分の意思を尊重してくれたクラブに心から感謝しています」 完全移籍が発表されたのは8月9日。渡英した食野は、シティ側から提案された数チームのなかから自分の目と耳で確かめた末に、期限付き移籍先をスコットランドリーグのハーツに決める。その発表翌日の同31日に行われたハミルトン・アカデミカルFC戦で、さっそくデビューを果たした。 「自分に対するアプローチがすごく魅力的で、ここでなら成長できると確信してハーツに決めました」