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井端に叱られ落合監督から「どこか痛いのか?」…FA権取得の中日・大野雄 今でも見る“粉砕デビュー戦”

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中日スポーツ

渋谷真コラム・龍の背に乗って

◇7日 中日7-1巨人(ナゴヤドーム)  大野雄がFA権を取得して1週間がたった。取得は区切りであってゴールではないのだが、スタートした日は鮮明に覚えている。2011年10月14日。大野雄はこの日と同じ巨人戦で、デビューした。チームは優勝へのマジック2。大野雄は6日前にファーム選手権で勝ち投手になっており、史上初の「初登板優勝決定投手」と「1・2軍ダブル優勝投手」を狙える試合だった。 【写真】2011年デビュー戦の大野雄大。今より少し細身?  「そう。あれがスタートでした。1年間、優勝に向けての戦いにいたわけではないので、重大さがわかってなかったんです。(1回に)2死を取ってからチョーさん(長野久義)に食らって、もう2回からはアウト取れる気がしませんでした」

 4イニング7失点。長野に浴びた同点ソロ以降、腕が縮こまってしまった。試合中に井端から「1本打たれたらもう逃げ腰か? 打たれるのならおまえの持ち味の真っすぐを打たれろ!」と叱られ、試合後には落合監督から「どこか痛いのか?」と心配されるありさまだった。  「これが現実なんかなと…。正直、少しはやっていく自信があったんですが、完全に打ち砕かれました」。FA権は活躍や出場には関係なく、1軍にいる日数が加算される。大野雄の1年目は、この1日のみ。粉々に砕け散ったプライドのかけらを拾い集めるところから、権利取得にこぎ着けた。  「今でもね、年イチくらいであの試合の動画を見るんですよ。いや、もうひどい(笑)。球速は145出てないし、腕が全然振れてない。あのころの僕にFA権なんてまったく考える余裕はなかった。ただ、あのときに痛い目に遭っといて良かったなとは思うんです」  あれから9年。先輩に叱られ、肩を落としていた新人は、威風堂々、竜のエースになった。打った京田や大島が「大野(さん)のために」と言ったのは、重圧を背負う彼の振る舞いを知っているからだ。

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