インドGDP、7─9月5.4%に鈍化 製造業と個人消費が減速
Manoj Kumar Shivangi Acharya [ニューデリー 29日 ロイター] - インドの7─9月期国内総生産(GDP)は前年比5.4%増で、4─6月期の6.7%増から減速し、市場予想を大幅に下回った。製造業と消費が減速し、7四半期ぶりの低成長となった。 ロイターがまとめた予想は6.5%増、インド準備銀行(中銀)の予測は7%増だった。 GDPの60%を占める個人消費は6.0%増で前期(7.4%増)から鈍化。エコノミストによると、個人消費は農村部では回復したものの、都市部は食品の値上がりや高金利、実質賃金の弱い伸びで低迷した。 製造業は2.2%増で、前期(7%増)から鈍化した。 コタック・マヒンドラ銀行のエコノミスト、ウパスナ・バードワジ氏は、製造業が最も打撃を受けたと指摘し、通年の成長は中銀の予測を大幅に下回る6.2%程度と予想した。 農業は3.5%増で、前期(2%増)を上回った。 経済活動の指標である粗付加価値(GVA)は5.6%増で、前期(6.8%増)を下回った。 政府支出は実質ベースで前年比4.4%増。前期は0.2%減だった。 中銀は今年度(2025年3月まで)の成長率を7.2%と予想しているが、エコノミストは中銀の予想を大幅に下回る可能性があると指摘する。 中銀は2020年5月以降、政策金利を引き下げていない。財務相や通商担当閣僚からは、企業の投資や生産能力の拡大につながるよう利下げを求める声が出ている。 IDFCファースト銀行のエコノミスト、ガウラ・セン・グプタ氏は「きょうのGDP統計を受け、12月の利下げの確率が高くなった」と述べた。