イケアとUR連携 子育て応援団地を改修 団地のイメージ刷新、若い世代の定着図る 習志野市
UR都市機構は若い世代に人気のスウェーデン家具大手「イケア」と連携し、千葉県習志野市の団地「谷津パークタウン壱番街」で子育て応援の新プランを展開した。管理開始から35年ほど経過した室内や集会所をリノベーションし、家事の効率化や子どもの安全に配慮。高齢化が進む団地のイメージを明るく刷新し、県内外から新たなファミリー世帯を取り込む。 同団地は京成谷津駅徒歩7分で、商店街や公園が並ぶ一角に立地。入居者の約半数をファミリー世帯が占め、育児中の家庭も多い特徴がある。さらに若い世代の定着を図ろうと約100戸のリノベーションが完了しており、イケアとの連携は2015年に開始した。 今回新たに登場したプランは水回りの改修に加え、「子育てしやすい部屋」に特化している。従来の押し入れや納戸を、衣服やおもちゃがまとめて収納できるウオークインクローゼットに改修。和室は抗菌仕様の柔らかな和紙畳に張り替え、リビングから見守れるキッズルームに。ゆっくりと閉まるドアやロック機能付きのコンロも採用し、安全対策を強化した。 URの担当者は「やんちゃ盛りの子どもがいる大忙しな家族にも、日々の暮らしを大切にできる住まいを提供したい」と説明。イケアが内装を担い、オレンジ系の塗り壁など暖かみのある空間とした。イケアのプランは県内外から問い合わせの多い人気物件で、稼働率向上にもつながったという。
集会所の多目的スペースも、2月中旬にリニューアルした。既に学習塾や趣味での活用など地域住民の交流拠点となっているが、担当者は「子育て世帯同士の息抜きなど、もっと気軽に利用してほしい」と期待。床や壁を刷新し、キッチンや授乳室、子ども用のプレーマットも完備した。 同団地はURが取り組む「地域医療福祉拠点」として、今後も多様な世代に対応した居住環境の整備を進める考えだ。入居状況や改修費用を考慮しながら、新プランやリノベーション戸数の拡大も検討する。