選考委員会の結果を野球部員に伝える細川典宏校長（左）＝高松市桜町で２０２２年１月２８日午後３時１３分、川原聖史撮影

　第９４回選抜高校野球大会（毎日新聞社、日本高校野球連盟主催）の選考委員会で、２１世紀枠の四国地区候補校となっていた高松第一（高松市桜町）は惜しくも７３年ぶりの出場を逃した。選手らは夏の甲子園に照準を合わせ、新たなスタートを切る。【川原聖史】 　２８日午後３時半ごろ、連絡を受けた細川典宏校長が選手に選考結果を伝えた。細川校長は「周囲に感謝し、さらなる挑戦をしてほしい。夏には甲子園に行きましょう」と励ました。山下悠馬主将（２年）は取材に「正直、少し期待していた。さらなるレベルアップを狙う」と話した。 　部員は１年生４人、２年生９人にマネジャー４人を加えた１７人の小所帯。平日は市の運動場までバスで往復１時間近くかけて練習に通うが、照明設備がないため日照時間が短い冬場は練習時間が限られる。このため選手らは午前７時から校内の柔道場を借り、素振りやバドミントンのシャトルを使った打撃練習、筋トレなどに打ち込んできた。放課後も校内のグラウンドで他の運動部が使っていない時間帯に走り込んで下半身を鍛えている。 　山下主将は「相手の速い球に打ち負けなくなった。打球に勢いがついてきた」と成長を感じている。部活動を終えると多くの部員は塾で勉強する。国立大医学部を志望し、午前１時まで机に向かう選手もいる。 　文武両道で練習環境のハンディキャップを乗り越え、昨年秋の県大会はベスト８まで進んだ。搆口（かまえぐち）顕太郎監督は「みんなの頑張りが必ず次につながる」と選手らに伝えた。５０年ぶりの夏の甲子園出場を目指し、充実した日々が続く。