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アマゾンの孤立部族に迫る「魔の手」、危ぶまれる存続【知られざる先住少数民族の暮らし】

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ナショナル ジオグラフィック日本版

加速する不法侵入と暴力、産業文明から離れた生活様式は消滅するのか

 南米アマゾン地域に、「孤立部族」と呼ばれる、外界と接触しない人々がいる。  彼らの多くは100年以上前、アマゾン川流域がゴム景気に沸いた時代に奴隷労働や感染症の蔓延から逃れて森に入った人々の血を引く。ゴム景気の後も、先住民は宣教師、伐採業者、石油・天然ガスの採掘労働者といった外部の人々との接触で、しばしば暴力を受け、感染症に苦しんだ。外部との接触を断ったのは、彼らにすれば生き残るための手段だった。    ただし、「孤立」というのは相対的な表現だ。最奥の地に住む人々を除けば、彼らは何十年も前から金属の道具を使っている。つまり、外界とは何らかの接触があるということだ。そのため、感染症への抵抗力がきわめて弱い彼らは今、新型コロナウイルスの脅威に直面している。 【関連写真】アマゾンの「孤立部族」を偶然撮影、部族名も不明  彼らにとって差し迫った危機は感染症だけではない。友好的な接触者のほかにも、新型コロナのパンデミック以前から、ブラジルアマゾンの全域で野生動物の密猟者、違法な金の採掘者、土地を狙う開拓者、麻薬の密売人など、ありとあらゆる種類の犯罪者が、先住民の土地に違法に入り込んでいるのだ。  近年の事例では、ペルーとの国境のエンビラ川流域に暮らす部族、サパナワの人々が、2014年6月に恒久的な接触を求めて森から出てきたことがあった。男性5人、女性2人が空腹を訴えて姿を現した。その後聞いた話では、少し前によそ者に襲撃され、部族の仲間が多数殺されたのだという。おそらく麻薬密売組織の仕業だろう。  2016年には、北のベネズエラとの国境沿いに位置するヤノマミ先住民保護区でほぼ完全な孤立部族が確認され、大きなニュースになったが、希少な村に「魔の手」が迫っていることも明らかになった。村が発見されたのは、違法な金採掘者を一掃する合同作戦に向けて、調査飛行を行っているときだった。ブラジル国立先住民保護基金(FUNAI)の職員は、自分が見たものに驚きつつも、同時に恐怖が差し迫っていることに気づいたという。

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