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福祉避難所設置に不安、自治体の6割 新型コロナ影響 ニーズと収容能力把握できず

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毎日新聞

 災害時に高齢者や障害者らを受け入れる「福祉避難所」について、47都道府県・20政令市・23特別区の計90自治体のうち約6割に当たる50自治体が、新型コロナウイルスの感染拡大で受け入れが困難になっていると感じている。毎日新聞のアンケート調査で明らかになった。福祉避難所は、避難生活が長期に及び避難者数も多かった東日本大震災をきっかけに充実を求める声が上がったが、今年は高齢者施設で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が多発したこともあり、各自治体が不安を抱える実態が浮かんだ。 【図解で分かる】避難所のコロナ対策  2011年の東日本大震災では最大で約47万人が避難生活を送った。当時は福祉避難所が不足し、一般避難所などに滞在せざるを得なかった高齢者や障害者らが十分な支援を受けられず、体調を崩して死亡する災害関連死も起きた。12年の復興庁の報告書によると、岩手、宮城、福島3県の関連死のうち70歳以上が約9割を占め、避難所などでの生活の肉体的・精神的疲労が原因とされるケースが約3割あった。  毎日新聞は8月に90自治体にアンケートを送り、全自治体から回答を得た。その中で、コロナ禍での「要配慮者」の避難対応で難しいことを八つの選択肢(複数回答可)で尋ねたところ、50自治体が「高齢者施設、障害者施設の避難者の受け入れ」を選択。理由として「コロナ対策で入所者と家族の面会を制限している状況で、避難者は受け入れがたい」などといった回答があった。他に、最も多くの63自治体が「要配慮者の避難者から感染者が出た場合の対応」を選んだ。次いで「感染症対策に当たる職員の確保」が59自治体だった。  アンケでは、各自治体で福祉避難所への受け入れを想定している人数と、実際に施設側が受け入れられる人数も尋ねた。その結果、福祉避難所を指定する政令市・特別区の計43自治体のうち両人数を回答できたのは2割に当たる9自治体のみ。多くの自治体がニーズと施設側の収容能力を十分に把握できていないことも判明した。【関谷俊介】  ◇「一般避難所に福祉避難所の機能を」  室崎益輝・兵庫県立大大学院減災復興政策研究科長の話 東日本大震災後、福祉避難所として指定される施設数は増えたが、施設内での避難者用スペースや、看護・介護にあたるマンパワーは依然として不足している。その上、今回のコロナ禍で受け入れは難しくなっている。施設での受け入れが難しい以上、一般避難所に福祉避難所の機能を備え、人的な体制も整える方向で検討すべきだ。

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