桂文珍「“老いる”ショックを乗り越えて楽しい落語を」8月8日に40回目独演会
落語家の桂文珍(73)が19日、大阪市内のなんばグランド花月で「吉例88 第四十回 桂文珍独演会」(8月8日・同)の記者会見を行った。 毎年、同日に同会場で開催されるイベント。文珍は「あっという間の40年。世間はコロナ、ウクライナなどで、何となく“うつ、うつ”していて、みなさん疲れている。できるだけ楽しい噺をして、生きている中で、うるおいを与えられることができれば」と抱負を語った。 ゲストは笑点に出演するなど売り出し中の関東の注目株・桂宮治。「なかなか、いいキャラをしています。若い時から、いいなあと思っていましたし、出てきましたからね。将来を嘱望できる後輩です」と期待を口にした。 上方落語の発展にも言及。「漫才は『M-1』があったりして、うまくビジネスパターンができている。落語の若手にも競争原理を働かせながら腕をみがけるチャンス、場所を用意しないといけいない。旗振り役として、やるときが来るかもしれない。そのときは応援したい」と若手の成長に一役買うつもりだ。 70代に入り、老いを感じることもあるという。「友人と会うと差し歯だったり、耳が遠くなったり。ロシアの石油ではないですけど、“老いる”ショックと言っています」とダジャレを交えながら、「そういうものを乗り越えて、年齢を楽しむ、ネタを楽しむ落語ができれば」と年齢に応じた面白さを追求している。 今回は古典落語「らくだ」の他に、「デジタル難民の噺。高齢者とデジタルトランスフォーメーションの落差を笑い飛ばすネタ。今っぽい噺」という創作落語「デジナン」を披露。それに伴い、山口県阿武町が新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金計4630万円を誤って町内の男性に振り込んだ話題に触れ、「あの兄ちゃん、すごいねえ。普通返すやろう」とシャレにならないことに驚きを隠さなかった。