早く話し始める子どもと遅かった子どもの「学力差」その後はどうなるかの真実
言葉の早い遅いは、子どもの将来と関連するのでしょうか? 「子育てには数々の『平均値』があり、そのなかでも言葉は『人間らしさ』の表れなので、いつ・どれくらい話せるのが普通か気にする親はとても多い」と話すのは、ブラウン大学経済学部教授で膨大な教育関連データを分析するエミリー・オスター氏。経済学者としての知見と2児の母としての実体験からベストな子育て法を探る同氏の『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト』より、月齢と言葉の量、学力との関連について一部抜粋してお届けします。 【漫画】小4で娘が不登校になった親が知った衝撃の事態
第1回:子どもの学力「親が共働きか否か」で差は出るのか(4月30日配信)第2回:テレビに学ぶ子と悪影響受ける子の微妙な境界線(5月7日配信) ■24カ月で平均「300語」になる 「話すこと」は、ごく自然に比較の基準になりやすい。わが子を他の子と、きょうだいと、そして自分と比べるのだ。 でも、うちの子は他の子と比べてどうなのか知ろうと思っても簡単にはできない。小児科の健診は、体の発達と同様、早期介入が必要な子どもを見つけるのが主眼だ。2歳健診でよく聞かれるのは、子どもが日常的に少なくとも25語を話すかどうか。ただ、これは問題がある可能性を示す基準値であり、平均や何らかの範囲は示されていない。
全体の分布がわかっても疑問は残る。話始めの早い遅いは重要? 早く話し始めると後で何か影響が出る? どちらの質問にも答えはある。データを見てみよう。 まずは、「いつ・どれくらい話すのが平均的か」を見てみよう。 一般的に行われる語彙数の測定方法は、さまざまなカテゴリーの680語が掲載された質問用紙を親に渡し、子どもが話しているのを聞いたことがある単語をチェックする形で行われる。全員に同じ単語を訊くことで子どもの比較がしやすくなる。次のグラフは、この調査データから作成された。大まかに、各年齢の単語数の分布がわかるようになっている。