響け、希望の音色 音楽を続けられる喜びかみしめて 福島県中島村の栄養士・西條美咲さん
マーチングバンドに関わる誰もが憧れる全国大会が15日に迫った。宮城県の団体に所属しフリューゲルホルンを吹く福島県中島村の栄養士西條美咲さん(22)は本番に向け練習に余念がない。「音楽を続けられる喜びをかみしめたい」。今年は一層、気合が入る。演奏を届けたい人たちがいるから…。 ◇ ◇ 郡山市の郡山女子大付属高でマーチングに出合った。全国大会の常連校。軽快に演奏する先輩たちに一目ぼれした。 音楽は未経験だったが、顧問の青木麗菜教諭(40)に「先輩たちだって9割は初心者だったのよ」と言われ踏み出せた。魅力にはまり、熱中した。在学中は3年連続で全国大会へ進んだ。 ◇ ◇ その母校は今年、全国大会に出ない。新入部員を確保できず来年度から休部となる。2、3年生はさぞ無念だろう。後輩たちを思うと切ない。 自分が今もマーチングを続けているのは高校時代が原点だ。「卒業したって演奏は楽しめるんだよ」。後輩にはそう伝えたい。ならば今年の全国大会で最高の演奏を見せよう。週末、車で練習に向かう片道2時間以上の道も苦にならない。「決して諦めないで」。願いを音に込めて奏でる。