地震と豪雨で被災、輪島市町野地区で唯一の「もとやスーパー」2000人の協力得て復活
3代目店長「感謝しかない、店の明かりをともし続けたい」
能登半島地震で被害を受けても営業を続け、9月の記録的な大雨により休店していた石川県輪島市町野地区の「もとやスーパー」が30日、再開した。地震から12月1日で11か月。地区唯一のスーパーで、ボランティア延べ約2000人の協力を受けて復活した。 【写真】仮オープン初日からさっそく客が訪れた(11日)
30日午後に店が開くと、待ちわびた住民たちは買い物かごを手に、精肉や刺し身、弁当などを買い求めた。近くの女性(75)は「この店がないと、買い物には車で1時間かかる」と笑顔で話した。
店は1963年に本谷一知店長(46)の祖父が創業し、3代で続けてきた。元日の地震では天井が落ち、商品棚が倒れるなどしたが「町野の人のために出来ることをやろう」と休まず営業してきた。しかし、大雨では泥水が1・8メートルの高さまで流れ込み、商品棚も店の奥に流された。
重なる災害に「この場所では営業できない」と弱気になったが、ボランティアらの手伝いもあり店は片付いた。廃業した店から棚を譲り受け、商品も被災前と同じ1500点をそろえた。
本谷さんは「ここまで復旧できると思っていなかったので感謝しかない。店の明かりをともし続けたい」と話している。