【阪神JF】アルマヴェローチェ2歳女王 岩田望来騎手61回目挑戦で悲願のGⅠ制覇「やっと勝つことができた」
岩田望来(24)=栗・フリー=騎乗で5番人気のアルマヴェローチェが、差し切りでGⅠ初戴冠。デビュー6年目の鞍上にとってもうれしいGⅠ初制覇となった。2着に8番人気のビップデイジー、3着に7番人気のテリオスララが入り、1番人気ブラウンラチェットは16着に敗れた。 待ち望んだ勝利の瞬間、右拳を力強く握って喜びをかみしめた。アルマヴェローチェが直線一気の末脚で差し切り。デビュー6年目でGⅠ初制覇となった岩田望騎手が白い歯をこぼした。 「本当にホッとしています。ずっと悔しい思いをしていたので、やっとここでGⅠを勝つことができてうれしく思います。調教(1週前追い切り)に乗った感触がすごくよくて、当週の追い切りもいいと聞いていたので自信を持って乗りました」 デビューから2戦は1800メートルで今回は初のマイル戦。テン乗りだったが「2戦目でうまくゲートを出れていなかったので、そこは気を付けました」とイメージ通り、五分のスタートからうまく流れに乗った。リズムよく追走すると、スムーズに直線は外の進路を選択。他馬との接触もあったものの、エンジンがかかってからは上がり最速の3ハロン34秒3をマークしてグングンと伸びて2着ビップデイジーに1馬身¼差をつけた。 「GⅠを勝ったことがなかったので、ゴール寸前まではわからなかったですが、最後の最後に内を見たときに誰もいなかったのでガッツポーズが出ました」 JRA・GⅠは61回目の騎乗で初制覇。父はGⅠ25勝の康誠騎手で、2019年のデビュー当初から大きな期待を寄せられたが、同期の団野騎手や菅原明騎手にタイトル獲得は先を越されていた。今夏は自身初めて2カ月間のフランス遠征を敢行。日本での多くの乗鞍を手放すことは承知の上で、海外に活路を求めた。「目に見えてのものはないですが、競馬に対する考えが行く前より少しは変化があったんじゃないかなと思います」。調教施設を含め、日本の環境が恵まれていることを痛感。より真摯に向き合うきっかけとなった。 上村調教師は今年の大阪杯(ベラジオオペラ)に続き、GⅠ2勝目。レース前に「(岩田望騎手には)無難に乗るな。思い切っていけ」と伝えた。見事なエスコートで結果を出した鞍上に目を細め、「デビュー当時から、乗っている姿をみてこれから伸びるジョッキーだと思っていました。望来に託してよかったと思います」と笑顔を浮かべた。