中日・柳裕也「反省は正直、たくさんした。もう前しか向いてない」球団の複数年打診も単年契約を選択…勝負の1年へ
中日の柳裕也投手(30)が11日、ナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」で契約更改交渉に臨み、3800万円減の年俸1億1000万円でサインした。順調にいけば来季中に国内FA権を取得する見込みの右腕は球団から打診された複数年契約ではなく、単年契約を選んで勝負の1年に挑む。 柳は努めて明るく振る舞った。それはシーズンで苦しみ抜いてきたからこそ。「反省は正直、たくさんした。もう前しか向いてない」。後ろ向きな言葉を発することはしたくなかった。 今季は3月29日のヤクルト戦(神宮)で自身初となる開幕投手の大役を務め、6回途中を2失点と試合をつくった。開幕から登板3試合目までは防御率0・47と安定感ある投球を披露。しかし、中5日で登板した4月18日のヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)で4回途中6失点と乱れて初黒星。交流戦最終戦の登板後に2軍落ちした。 シーズンを通して13試合に登板して4勝5敗、防御率3・76。「振り返るところを探すことが難しいくらい、自分としては何もできていないに等しいシーズンになりました」と先発陣の柱としての自負をにじませる。2軍調整中はプレートを踏む位置を替えたり、真っすぐの質を見つめ直すためにフォームを微調整したり。「試行錯誤なんてきれいなものじゃない。もがいています」。結果を出すために、わらにもすがる思いだった。 ただ、悔しさにまみれたシーズンの中で吉報もあった。プロ入り当初から”柳塾”の一員として宮崎・都城での自主トレに参加している松木平が7月に支配下選手登録。後半には先発ローテの一人として2勝を挙げた。「これまでは『まっちゃん、頑張れ』って感じでずっと親のような目で見ていました。今年は僕が2軍で彼が1軍で投げている期間もあった。来年からもライバルという形になるので負けないように頑張りたい。でも、すごくよかった」と”まな弟子”の活躍に表情を和らげた。
中日スポーツ