「自分なんて病」にかかってない?星読みで知った才能をちゃんと活かしてみたら「未経験から全国1位」になった元主婦の話【占星術士yujiインタビュー】
発想を転換できるのも“才能”
――ただ、好きなことや才能をどれだけ伸ばしても、世の中に需要がなければ生業にはならない、とも本書には書かれていました。お金にならないからと諦めてしまう人も多いと思うのですが……。 再び厳しいことを言いますが、それはその人の才能に需要がないのではなく、才能の料理の仕方がよくないのだと思います。たとえば対面の飲食店をやりたい、一貫ずつ手渡しするようなお寿司屋さんを開きたいと思っても、コロナ禍では無理だったじゃないですか。生業にしたいと思うなら、世の中の状況をよく見て、形態は変えなくちゃいけない。僕も、対面の個人鑑定は一切できなくなりましたが、かわりにnoteをはじめ、ブログの更新を増やし、結果として執筆の仕事も増えて、個人鑑定が主だった時代よりも収入は増えています。 ――そこでも「自分はこうだ」という傲慢な思い込みを捨てなくてはいけないわけですね。 自分はこれしかできないから、仕方ないんだ。時代が悪い、あるいは才能がないんだと悲観するのは簡単だけど、何事も創意工夫なくしては成功しません。もちろん、創意工夫が得意な才能というのもありますし、僕のように「むしろコロナ禍がいい転機となった」と発想を転換できるのも、才能かもしれない。それでも「考えてみる」ことは誰にでもできるでしょう。
本当は自分に向いていないこと、星に合わないことはしない
――それこそ、他人にアドバイスを求めたり、星読みからヒントをもらったりすることもできますしね。 どこで働いてもクビになる、という方の星回りが僕と同業の感じがしたので、ひらめいたことをそのまま伝える仕事をしたらどうですか、と言ったら、あっというまに売れっ子占い師になったこともありました。その方だって、最初はしゃべるのもうまくないし、コミュニケーションをとるのも苦手だし……と、尻込みしていたけれど、思い切って進路を変えてみたことで、思わぬ武器を拾い、自分を活かす道に繋がった。逆に、自分に向いていないこと、星回りと合致しないことに力を注ぎ過ぎると、心身に不調をきたすこともありますからね。 ――yujiさんも、月に500時間くらい働くような生活をして、半身麻痺になったことがあるんですよね。 働けなくなって、貯金残高が100円を切るような状況にもなりました。それはやっぱり、星が示してくれるものに抗っていたからなんですよね。がむしゃらに頑張るのがいいことだという、土の時代によしとされる価値観にしがみついてしまったし、自分の才能を生かす道は他にあるかもしれないと発想を転換することもできなくなっていた。「僕はこうだから」という傲慢な思い込みに、僕こそがとらわれていたんです。でもこれから先、物質的なものではなく、自分の波長を上手にとらえることが必要とされる風の時代において、それは絶対NGの行為。自分には何もない、これくらい誰にでもできると思い込んでいる、「自分なんて病」に罹患している人にこそ、今回の本は読んで、フレキシブルに個の能力を磨くヒントを受け取ってもらいたいです。 取材・文/立花もも 撮影/大坪尚人(講談社写真映像部)
yuji