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「あくまでも庶民目線で 政治に“えっ”となる視点を忘れずにいたい」『恋と国会』西炯子(にし・けいこ)さんインタビュー

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選挙ドットコム

累計150万部を突破し 映画でも話題になった『娚の一生』をはじめ、『三番町萩原屋の美人』『姉の結婚』など、恋愛をテーマにしたさまざまな名作で知られる漫画家・西炯子さん。先日第1巻が発売された『恋と国会』は、西さんにとってはじめての「政治」をテーマにした作品。 主人公となるのはともに25歳で、衆議院の1年生議員のふたり――元地下アイドルで、まっすぐな心根を持ちながらも政治には素人の(!)山田一斗(やまだ・いっと)と、政治家一族の三世議員で、元首相を父に持つ良くも悪くも「政治通」の海藤福太郎(かいとう・ふくたろう)だ。先入観のないまっさらな視点から、国会の場で次々と政治への疑問を口にする一斗と、政治の限界を感じながらも、それでも自分にできることの模索を続ける福太郎という対照的なふたりは、ある時は反発しあいながらも、やがて交流を深めていく。 構想のきっかけや主人公のキャラクター、執筆の過程で変化した「政治」への意識など、今回お話をいただいた。

元地下アイドルの女の子と、三世議員の男の子

――政治という題材に挑まれた経緯について、お聞かせいただけますか。 もともと、女の子が総理大臣になるような少女漫画を構想していました。ただ、少女漫画と政治って食い合わせが悪くて、「政治」というワードだけで読者から敬遠される傾向があったんです。このアイデアはどうにか形にできないかと思っていた中、幸運にも、編集の方から青年誌で執筆してみませんかと言っていただきました。そうしてビッグコミックスピリッツで、『恋と国会』の連載が始まりました。 ――一斗、および福太郎のキャラクターはどのように考えられたのでしょうか。 まず、女の子である一斗は、どこにでもいる庶民が成り上がっていくのが面白いだろうと感じ、そのイメージを採用しました。となると、男の子の方は対照的なキャラクターで、お金持ちの、普通に暮らしていたら手が届かない階層にいるのが望ましいと思いました。生活レベルとか何かの才能とか、「差」のある男女がつながっていくのが少女漫画のセオリーでもありますし、庶民の恋愛の夢として、夢があると思ったんですね。 ――細部のディティールはどのように詰めていかれたのでしょうか。 最初は、政治に造詣の深い編集者やライターに話を聞きました。お聞きした話の中でエピソードを形作って、フィードバックをお願いして、さらにブラッシュアップをさせて、という感じです。私自身がそこまで政治に詳しくなかったこともあり、「これは事実とずれている」といった指摘もありました。最初のあたりはストーリーを進行させるよりも、まず主人公が置かれた世界を説明することで精いっぱいでしたね。