サッカーJ1名古屋グランパスの観客動員がV字回復 その理由は?
「最下位」脱出 サポーターもクラブの変化を歓迎 年間40万人目指す
さまざまな取り組みを続けた結果、J2降格の2017年のJリーグ観戦者調査で、前出の各項目は、最下位をそれぞれ脱出。特に、観戦の動機が「好きなクラブの応援」という人の割合は、J1とJ2を合わせた40クラブ中、19位まで浮上した。 サポーターもクラブの変化を感じている。Jリーグ発足後からのサポーター、会社員の伊藤信行さん(50)=名古屋市北区=は「この3、4年で選手とサポーターの距離感が近くなった。以前は『試合やるから見に来い』みたいな感じがあったが、今は『みんなで勝ちに行こう、ホーム戦を楽しもう』みたいな雰囲気になり、応援しにいこうと気持ちが高まる」と感想。妻の昌恵さん(42)も「以前は飲食のブースが少なく、長時間並んで買っていたので大変だったが、この数年でブースの数が増えたので、手ぶらで観戦に行けるようになった」と、改善された点を挙げた。 今後について、清水部長は「8月11日に過去最多観客数を出したことは一定の成果」としつつ「試合の結果に左右されないように、お客様に見に来ていただくことが必要。声援が、チームの後押しになるので、パロマ瑞穂スタジアムと豊田スタジアムで行われるホーム戦20試合が常に満員になるようにしたい」と意気込む。戸村リーダーは「1回来ていただいたお客様をリピーターにすることが難しい。また来たいと思えるようなイベント展開をしたい」と話した。 今年の年間観客数目標は、優勝した2010年の約35万人を上回る40万人と設定。試合の良し悪しだけでなく、サポーターやホームタウンが満足するホーム戦の仕掛け作りを進めるクラブに、注目が集まる。 (取材・文・撮影:斉藤理/MOTIVA)