2025大阪・関西万博、開幕まで半年:海外パビリオン建設は急ピッチで進むも、機運醸成が不可欠
土師野 幸徳(ニッポンドットコム)
2025年4月13日の開幕まで半年を切った大阪・関西万博。遅れていた海外パビリオン建設が本格化しているが、前売りチケットの販売で苦戦中。今後、全国的な関心を高めていくことが課題となっている。
前売り販売は目標の半分、ワクワクするような万博を
大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)が10月13日、開幕半年前を迎え、記念イベントを東京・虎ノ門ヒルズで開催した。公式キャラクターのミャクミャクに加え、スペシャルサポーターを務めるタレント陣やハローキティ、くまモンが登壇。海外パビリオンのコンセプトや注目イベントを紹介しながら、来場を呼びかけた。 1970年の大阪万博ではアポロ12号が持ち帰った「月の石」が人気を集めたが、今回は日本の南極観測隊が2000年に発見した世界最大級の「火星の石」の目玉展示の一つとなる。
地元・大阪大学の最先端研究にも注目が集まりそうだ。心臓血管外科の澤芳樹特任教授が開発した拍動する「iPSミニ心臓」は、2012年に山中伸弥さんがiPS細胞の発見でノーベル賞を受賞した後、着実に病気治療に役立てる研究が進んでいることを発信。アンドロイド開発で知られる石黒浩教授は、人間とロボットの境界がなくなる世界を見せてくれる。 ゲスト出演した兵庫県出身の柔道家・阿部一二三さんと、妹の詩さんは「僕たちはけがが付き物。iPS心臓のような医療技術の発達が、スポーツ選手の人生を変えるかもしれない」(一二三さん)、「アンドロイドがすごく気になる。将来の私の練習相手になるかも」(詩さん)と話し、会場を訪れるのが待ちきれない様子だった。
ただ、前売り入場チケットの販売では苦戦中。主催する日本国際博覧会協会は開幕までの販売目標を1400万枚としているが、9日時点での売り上げは714万枚。23年11月30日の販売開始から約10カ月で達成率は半分にすぎない。さらに、その大部分が企業の大量購入とみられる。 一般層の関心を高めることが急務となる中で、協会の十倉雅和会長(経団連会長)は「多くのパビリオン建設が着実に進んで、実施されるイベント内容も次々と明らかになってきた。半年後の開幕に向けて積極的なPRを展開し、ワクワクしていただけるような大阪・関西万博を届けたい」と述べた。