今年度補正を閣議決定、一般会計総額13.9兆円-歳出の平時化足踏み
自民、公明、国民民主の3党は20日、24年度補正予算について「年内の早期成立を期する」とした合意文書を発表した。28日開会した臨時国会で、同案の審議は12月9日から始まる予定。
PB黒字化「不退転の覚悟を」
閣議決定に先立ち、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は29日午後、25年度当初予算の編成に関する意見書を取りまとめた。政府が掲げるPB黒字化達成の目標年度を前に、意見書では「不退転の覚悟を持って予算編成に臨むことが求められる」と訴えた。
意見書はPB黒字化を財政健全化に向けた一里塚と位置付け、その先の債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指す必要があると強調する。日本銀行による金融政策の調整で想定される金利上昇は、政府にとって「大きなインパクトを持つ」とも指摘。金利が上昇すれば「利払い費が年を追うごとに増加し、その影響が長期に及ぶことが懸念される」とした。
その上で「もはやコロナ禍ではない」とし、歳出規模を平時化させる必要があると説いた。
財政審・財政制度分科会の増田寛也会長代理は同日の会見で、10月の衆院選で少数与党となった政治的な構造が「財政を拡張させる方向に働いていく可能性がある」と述べた。「金利上昇や物価高という環境の中で申し上げるべきことは申し上げていく。こうしたことが財政審に求められる役割だ」とも話した。
--取材協力:氏兼敬子.
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Takashi Umekawa