「主権問題として取り組む」石破首相が拉致国民大集会で訴え 日朝連絡事務所案には触れず
石破茂首相は23日、北朝鮮による拉致被害者家族会などが東京都内で開いた国民大集会に出席した。拉致問題について「日本国の国家主権の侵害以外の何物でもない」と強調し、拉致被害者家族の高齢化を念頭に「時間はあまり多く残っていない。国家主権の問題であるとの認識のもと取り組んでいく」と訴えた。 また、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との首脳会談について「私は本当に正面から向き合う」と語り、意欲をにじませた。 集会には拉致問題担当相を兼務する林芳正官房長官も出席した。「日朝間の相互不信を打ち破り、双方の明るい未来を実現するためには、わが国が主体的に行動する必要がある」と語った。 一方、首相は先の自民党総裁選で訴えた、東京と平壌に相互連絡事務所を開設する案には言及しなかった。この案には家族会などが強く反対しており、家族会代表の横田拓也さん(56)は「拉致問題を時間稼ぎした上で幕引きすることにしか寄与しない」として、先月17日に首相と面会した際にも反対する意向を伝えていた。