子どもが持ってうれしくなるモノを Hameeがキッズ向けスマホを開発する理由
子どもは子ども用の携帯電話が欲しいわけじゃない
―― 子どものネットリテラシー形成を主眼に置いているところも、キャリアの子ども向け端末と同じようで違うところかと思います。 藤澤氏 親が見守りながら、子どものネットリテラシーを上げていくことをターゲットにしています。親が見守りに介在するというイメージですね。例えば友達を増やすにしても、親が見て「彼なら大丈夫」という形で承認する仕組みにしています。親の目が届くところでネットワークを形成できるのは、違うところです。当然、GPSは付いていますし、位置情報も取れます。いざというときには、SOSアラームを引っ張って鳴らすこともできます。 違いはもう1つあって、子どもは、持ってうれしくなるようなものでないと、使ってくれません。実は、私は30年以上、携帯ビジネスでモノ作りをしてきてHameeに合流しましたが、そこでも子ども向けの携帯電話を作ってくれと言われたことがあります。大人の考える子ども向けは、やはり「子ども子どもしたもの」になってしまいます。そうではなく、子どもは大人の使っている携帯が欲しい。デザインだけでなく、機能も含めて子ども向けにシュリンクして、そこに見守りをつけたところにプレスマホの意義があります。 Androidを使い、Google Playを入れた理由もそこにあります。子どもが楽しめなければ、使ってもらえないからです。使ってもらってこそ、安心して見守りもできます。 ―― Google Playには、子ども向けにアウトなアプリも多いと思います。この点はどう管理するのでしょうか。 藤澤氏 2つ手段があります。1つは(Androidの)ファミリーリンクで、13歳以下の子どもだと、年齢に合わせたアプリやコンテンツしかダウンロードできないようになります。もう1つ、その範ちゅうのアプリであっても、親が認めないとインストールできない機能があります。それがあると、親が子どもとちゃんとコミュニケーションを取り、面倒を見ます。ダウンロードできないから何とかしてほしいというのも、1つのコミュニケーションです。そういったものを、家庭の中で持っていただければ、うまく行くようになります。 ―― 子どもが持ちたいという意味では、本体のデザインがiFaceに近いのも、大人が使っているスマートフォンに見えることを狙ったのでしょうか。 藤澤氏 近いというか、そのままですね(笑)。子どもは子ども用の携帯電話が欲しいのではなく、親と同じようなものを持ちたい。であれば、親と同じようなケースを提供した方がいい。ポシェットみたいなものを出すのは違うところですが、持ってかわいいと思い、気に入ってもらえるようなデザインにしています。子ども向けは子ども向けですが、子どもが欲しがる方向性でモノ作りをしています。 河合氏 補足すると、最近ではママがiFaceを持っていることも多く、ファッション的な側面で持たせたいと思うこともあるようです。リンクコーデのように、親子でそろえて使うこともできます。