話題のインディーゲーム『天穂のサクナヒメ』開発者インタビュー「まさか本業の農家さんからも反響があるとは思いませんでした」
かわいい神様がうまい米を育てて鬼を倒す! そんな異色のゲーム『天穂(てんすい)のサクナヒメ』がまさかの大ヒット。本職の農家まで感心した、日本の米作りのガチすぎるシミュレーションが話題の今作は、いったいどのように誕生したのか? 開発者のなるさんとこいちさんに聞いた。 【ゲーム画像】『天穂のサクナヒメ』の稲作パート * * * ■空前のヒットはすべてが想定外 ――品切れ続出の大ヒットになった『天穂のサクナヒメ』ですが、この反響は予想されていたのでしょうか? なる まったく想定外です。 こいち 僕らにはよくわからないことが起こっています。 ――おふたりは同人ゲームサークル「えーでるわいす」として、アクションゲーム『花咲か妖精フリージア』など、数々の作品をリリースされてきましたが、今作は何がここまでユーザーを引きつけた? なる やはり稲作パートですよね。これほどまじめに米作りに取り組んでくださるとは想像していませんでした。 ――『サクナヒメ』は米を育てることで、主人公である豊穣神サクナヒメが強くなり、鬼を倒すアクションパートを有利に進めるゲームです。ただ、この稲作パートの作り込みが細かく、「ゲーム史上類を見ない深さで米作りを体験できる」と話題になりました。 なる 開発側としては作業を繰り返していくと新鮮味がなくなるかもと危惧していたんです。だから、2年目以降は農作業をある程度は雑にやってもゲームが進められるようにしてあったのですが......。 こいち みんなどんどんストイックになって、去年よりもいい米を育てようとする(笑)。 ――それこそ、稲作にハマるユーザーが続出した結果、ネット上では「農林水産省の公式HPの稲作に関するQ&Aが攻略に役立つ」なんて情報まで出回りました。 こいち そのまま使えるわけじゃないですが、あそこに書かれている知識は確かに参考になるんです。読んで損ということはないですね。 ――全国農業協同組合連合会も、「うちの解説冊子を参考になさってください」とツイッターで自薦していました。 なる まさか本職の農家さんから反響があるとは思っていませんでした。僕らは農業に関してはズブの素人なので、むしろ怒られるかもと予想していたくらいでした。 こいち ああ言っていただけたのはうれしかったですね。