パラグライダーなら紀の川市!? 年200回飛ぶインストラクターが勧めるワケ
和歌山県紀の川市に暮らす筆者。車の運転中、空をカラフルに彩るパラグライダーが、フロントガラスからよく見えます。高所恐怖症ではないけれど、ジェットコースターが苦手で、縁がないと思いながらも「気持ちよさそうだな」と羨ましく見ていました。しかし今回、同市で「ユーピーパラグライダースクール」を営む村井啓太さんの話を聞き、今すぐにでも空へ飛び立ちたくてたまらない気持ちになりました。 【写真】夕焼けの空を飛ぶパラグライダー
美しい景観と飛べる確立の高さの"バランス"が良い空
パラグライダーを人に教えるため、千葉県から移住し20年以上になる村井さんは、これまで数え切れないほどの空を飛んできました。 3月には鹿児島県の奄美大島に行き、パラグライダーに乗って空からウミガメを探す飛行の旅。6月には北海道を訪れる予定で、日本の北から南まで、コロナ禍の前はフランスや台湾、バリといった世界中を、文字通り"飛び回って"いました。それだけの空を飛んできた中で、紀の川市には一体どんな魅力があるのでしょうか。 「他のエリアだと、飛ぶまでの間に山を登る必要があったり、気流が乱れて飛ぶことができない確率が高かったりするんですよ」と村井さん。 紀の川市の空は気流の乱れが少なく、集合場所であるユーピーパラグライダースクールから離陸場まで、車に乗って7~8分で到着します。そのフライト確率の高さは、全国大会が開催されるほど。 確かに、「飛ぼう!」と勇気を出して申し込み、山登りまでして「やっぱり飛べませんでした」では、ショックが大きいですよね。飛べる確率が高いということは、ベテランはもちろん、初心者として体験で訪れる人にもありがたいことです。 また、紀の川市はとにかく景観が美しいのだそう。紀ノ川平野には高い建物がほとんどなく、そこに暮らす人々の街並みが綺麗に見えます。春には梅や桃、桜といった花々、夏は爽やかな新緑、秋には紅葉に染まる山々が広がります。また、冬は凛と澄んだ空気が風景をくっきりと引き立たせてー。そしてなんと、離陸場がある300m上空に登るだけで、兵庫県の淡路島まで見えるのだとか! 自分を見下ろすビルも何もない、ただそこにある自然が作り出したおいしい空気を吸い、「気持ちいいね」と心が温まるような豊かな時間を過ごすことができます。