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ウエンツ瑛士 イギリス留学前は「人の期待に応えること」が最優先だった

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婦人公論.jp

子役の頃から芸能界で活躍を続けてきたウエンツ瑛士さん。2018年10月に単身イギリスへ留学、世間を驚かせました。テレビの人気者がなぜ突然の長期留学を決めたのでしょうか(構成=大西展子 撮影=宅間國博) 【写真】『本音と建前』というのは日本の文化だからしょうがないと思っていたけど * * * * * * * ◆他人の物差しで生きている感覚 1年半のイギリス留学から帰国して半年が経ちます。4歳で芸能活動を始めて以来30年、仕事をするのが当たり前だったので、丸々1年半も働かない生活は僕の人生では初めてのこと。それをイギリスで実践できたのは、自分にとって大きな経験になりました。 日本の社会では、「仕事をしていない人」=「能力がない人」「評価されていない人」という固定観念がありますよね。 僕自身、20代後半に仕事が少なくなった時期があるので、よくわかります。仕事がなくなって、つまり評価されなくなった自分を認めるのは、すごく難しい。当時、結果が出ないなあという自覚もあったし、何より大人たちが、僕の仕事がなくならないように奔走しているのが気配でわかった。その時に自分から人が離れていくという経験もしているので、それがどこかトラウマにもなっていたんですね。 僕はずっと、他人の物差しで生きている感覚が強かったんです。「人に求められる自分になろう」「人の期待に応えなければ」というのが、とにかく常に最優先。そうでなければ仕事は来ないと思い込んでいましたから。 留学前は毎日が慌ただしくて、仕事の波に飲まれているような感覚でした。「いつかこの仕事がなくなるんじゃないか」と、常に何かに追われている感じ。瞬間、瞬間で結果を出さなければいけないという呪縛から逃れられない。 そんなふうだったので、長期的な目線で仕事をするというスタンスが僕にはありませんでした。だから自分に自信が持てなかったし、どんなに頑張っても満足感を得ることができなかった。

イギリスに行ったら僕は当然無職なわけで、そんな自分が必要とされるのか不安もありました。でも実際に行ってみると、仕事をしていない僕でも、「おまえは楽しい奴だ」「おまえと一緒にいたい」と受け入れてくれて、付き合ってくれる。仕事をしていない自分が気にならなくなりました。 思えば、そういう友だちは日本にもいたんですよ。実際、留学する時に地元の友だちからは、「別に仕事がなくなってもいいんじゃない。うちの会社で雇ってもらえば」なんて言ってくれて。テレビに出ていようが、どこで働いていようが、どっちも僕であることには変わりないんだ、と。 今はその言葉を信じることができます。だから帰国した今は気持ちが楽になりましたし、以前より強くなれましたね。仕事に対しても、「自分がやりたいことをやる」という意志が芽生えてきたかなと思っています。 ◆仕事の合間を縫ってひそかに準備 そもそも僕が留学を考え始めたのは、5年前、30歳になる頃に主演した『スコット&ゼルダ』という素敵なミュージカルがきっかけなんです。その時にたくさんのいい出会いに恵まれ、共演者の方々の人柄や立ち居振る舞いからいろいろなことを学びました。 多くの方々にサポートされるなかで、自分は主演として真ん中に立たせてもらって……。その経験で、もっと役者としての自覚を持たなきゃいけない、もっと自分に実力をつけてこの方々に恩返しをしたいと思ったんです。 演劇を勉強するためにイギリスに留学したい。それまで自分に自信を持てなかった僕が、一度留学したいと考え始めたら、行きたい気持ちが止められなくなってしまって。周りからはもちろん、「戻ってきても同じように仕事ができるかわからないぞ」とさんざん言われました。でも、留学を決めた時には、「別に仕事がなくなってもいいや」という覚悟に変わっていましたね。

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