山頂エリアは特大パノラマ! 百名山&中央・南アルプス “まるっと見渡す” 開放感! 「富士見台高原」登山レポ
■名だたる山々をぐるっと見渡せる「富士見台高原」
中央アルプスの南、南信州「阿智(あち)セブンサミット」の一座「富士見台高原(標高1,739m)」は、日本百名山を見渡せる信州百名山だ。 ■【写真13枚】東に南アルプス、北に中央アルプスと御嶽山、すぐ南には恵那山! 日本百名山を見渡す「贅沢すぎる晴天のパノラマ」(写真をすべて見る) 週末の天気が快晴らしいと知った筆者は、去年の10月下旬に紅葉の富士見台高原に向かうことにした。前回は冬に登り、今回で2度目の登山。名だたる山々をぐるっと見渡せる。そう聞いただけで、山が大好きな筆者はぐっとテンションが上がるのだった。
■古代東山道神坂神社からの道
2023年10月下旬、登山道は大きく分けて3つあるが、今回は古代東山道(こだいとうさんどう)の神坂(みさか)神社から登山を開始した。およそ1300年前の佇まいといわれる道を歩いて富士見台高原へ向かう。 川沿いの道を歩いた後に少しつづら折りの道を登る。すごく静かでクマに遭いませんようにとお祈りをしながら針葉樹の森を抜けると、宿泊もできる「萬岳荘(ばんがくそう)」にたどり着いた。近くの神坂峠か萬岳荘までは車の乗り入れも可能。初心者や高齢者にもやさしい山だ。 萬岳荘はホームページによると、宿泊は4月下旬あたりから11月中旬までで、冬季は避難小屋のみの営業となる。事前に確認して訪れたい。 筆者が訪れたときは、暖かな日差しを受けたテラスが人気で、たくさんの人々がお弁当を広げたり、ティータイムを楽しんでいた。 萬岳荘を過ぎて歩きやすい道を登ると、すぐに視界がひらけていく。紅葉の盛りと聞いていたので期待が高まる。 萬岳荘の上から南側を見下ろすと、南信州の山々がオレンジに染まり、遠く南アルプス南部の山々が細い帯のように青く見えていた。
■山頂付近一帯が見晴らしよい展望台
クマザサで覆われた真ん中を通る道を気持ちよく歩いていく。避難小屋を通り過ぎたあたりから、どの方角も絶景すぎて、あたりを見回すのに忙しい。写真を撮ってばかりでなかなか前に進まない。この道からはなんと、23座もの百名山が見えるとか!東には南アルプス、北には中央アルプスと御嶽山、すぐ南には恵那山と、ぐるっと取り巻くように山々が見えるのだ。 この日は360度のパノラマが広がっていて、登山者もみなニッコリと写真撮影に没頭していた。特に御嶽山や北アルプスに雪がついているのが、白くくっきりと見えて嬉しかった。 山頂はどこかと思いながら歩いていたら、少しこんもりとしたところに人だかりがあって、そこが山頂なのだと分かった。富士見台高原は山頂付近一帯がずっと見晴らしがよく、そこが人気の理由なのだなと実感した。 富士見台高原から神坂山(1,685m)へ歩いていると「落雷遭難の碑」に足を止めた。ネットで調べると、地元の中学生が1955年に落雷で命を落としたとあった。このような広大な野原で雷が鳴ることを考えると恐ろしいと思った。落雷遭難の碑の近くには神坂小屋と呼ばれる立派な避難小屋がある。不運にも雷が近づいた場合は利用すること。