「お芝居ができず悩む時間すら楽しい」渋谷凪咲がホラー映画で見せた“笑顔の楽しい姿”ではない“裏部分”
「渋谷凪咲も怖がっているから大丈夫」
――演技や役作りに関して、監督とはどのようなやりとりが? 自分の中から出てくるものを大事にしたいと思い、監督とは、「もっとこんなふうにしたらどうだろう」など相談しながら役を作っていきました。 ただ、仕上がった映像を客観的に観ると、自分では頑張ったつもりでも、自分が思っているようにはできないんだな、ということがよくわかりました。 全力で自分のもてる力を出し切ったので、あれ以上何かできるかと言われても当時の私の実力では精一杯でしたが、そこはしっかり受け止めて、次作でもしまたお声掛けいただけたら、そのときはもっと自分の心を豊かにして、感じ方や表現の仕方をもっと自由自在に噛み砕けるように表現していけたらいいなと思います。 ――今作で、一番印象に残っているシーンやエピソードを教えてください。 ネタバレになるのであまり言えないんですけど、ひとつあげるとしたら、やっぱり、高谷さなの一家が出てくるシーンです。撮影現場でもすごく怖かったですね。 でも、実際はみな、優しくてあたたかい方なんですよ。私のお芝居を観ては「ほのかちゃんは本当にすごい一生懸命だね。私も頑張るね」って言ってくださるので、どれだけ励ましていただいたか。終わった後には、ハグして喜びをわかちあったくらいです。 そんな人となりを知るとまったく怖くないんですけど、でも画面で見るとやっぱり怖いので、そこはプロの役者さんだなと思いました。 ――俳優の人柄を知ってもなお怖い作品なんですね。映画への思いをお聞かせください。 今回、監督からは、「キャストは見てくださってる方にいかに怖がっていただくかの仕掛け人だ」と言われました。 「仕掛け人」という目線で、どうやって怖がったらより怖さが伝わるだろうかと考えると、怖いというより、楽しさやワクワクのほうが大きいんですよ。こうしたら驚いてもらえるかなとか、こうしたらもっと怖く見えるかな、と思いながら演じました。 普段は私も怖がりで、スクリーンのなかでも心の中で怖がっているので、ホラーが苦手な方も「渋谷凪咲も怖がっているから大丈夫」と思って観ていただけたら嬉しいです。 渋谷凪咲(しぶや・なぎさ) 生年月日:1996年8月25日 2012年、大阪・難波を拠点に活動するアイドルグループNMB48の4期生として加入。以降はグループの中心メンバーとして活動。バラエティー番組「イタズラジャーニー」(フジテレビ系)、情報番組「DayDay.」(日本テレビ系) をはじめとした多くのレギュラー番組に出演。ドラマ「だが、情熱はある」(日本テレビ系/23)では、山里が好意を抱く相手役を好演し話題に。2023年12月、NMB48を卒業し本作で映画初主演。 映画『あのコはだぁれ? 』 7月19日(金)全国公開 ■STORY ある夏休み。補習授業を受ける男女5人。 この教室には、 “いないはずの生徒” がいる──。 とある夏休み、臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか(渋谷凪咲)の目の前で、ある女子生徒が 突如屋上から飛び降り、不可解な死を遂げてしまう。“いないはずの生徒”の謎に気がついたほのかと、補習を受ける生徒・三浦瞳(早瀬憩)、前川タケル(山時聡真)らは、“あのコ”にまつわるある衝撃の事実にたどり着く……。彼らを待ち受ける、予想もつかない恐怖とは……? ■出 演:渋谷凪咲 早瀬憩 山時聡真 荒木飛羽 今森茉耶 蒼井旬 穂紫朋子 今井あずさ 小原正子 伊藤麻実子 たくませいこ 山川真里果 松尾諭 マキタスポーツ / 染谷将太 ■監 督:清水崇 ■原案・脚本:角田ルミ 清水崇 ■製 作:「あのコはだぁれ?」製作委員会 ■企画配給:松竹
相澤洋美