「お芝居ができず悩む時間すら楽しい」渋谷凪咲がホラー映画で見せた“笑顔の楽しい姿”ではない“裏部分”
信じるためには自分が素直でいよう
――映画とバラエティでは何が違いましたか? テレビのバラエティ番組の場合、すでにセットが組まれ、スタッフのみなさんがスタンバイされている現場に最後に入って本番、という流れで撮影をすることが多いんです。 ところが映画は、撮影さん、録音さん、照明さんといったスタッフのみなさんが準備されているなかで出演者がリハーサルを行うなど、まだ何もできあがっていないゼロの状態からキャスト・スタッフが一緒につくりあげていく、という方法でした。 「この数十秒を撮るために、どれだけの方がどれだけの力と時間をかけて準備してくださっているのか」ということを深く知ることができ、それぞれの部署の皆さんをあらためて尊敬しましたし、すごくかっこいいな、と思いました。 お芝居って、私だけがセリフをちゃんと言えればそれでいいわけじゃないんですよね。撮影さんとか照明さんとか、演者みんながちゃんとできないとOKって出ない。まさに、みんなで一緒につくりあげる世界だからこそ、OKが出たらワーッと喜ぶ。そういう映画の撮影ならではというか、みんなと一緒に作り上げてる感が私にとってはすごくありがたくて新鮮で。みなさんのお力と思いにとても感動しました。 ――本格的な演技は初めてです。芝居に関してはいかがでしたか? お芝居に関しては、本当にまったくといっていいほど初めてでしたが、まずは「演技を信じる気持ち」が大事だということを教えていただきました。 あたりまえですが、撮影現場で起こっていることは、実際に起こったことではなく、ましてや自分の人生でもありません。だけど、それをいかに自分の人生として自分自身が信じ込めるか、ということがお芝居では大事だと、最初に教えていただきました。 そして、信じるためには自分が素直でいなくてはいけないということも教わりました。ですから、自分の心にも自分の表現にも、そしてそれを信じることにも素直でいるよう心がけました。 あとは、全力でぶつかる。それしかできないなと思ったので、そこは頑張りました。 ――俳優歴の長い共演者の方たちの演技をどうご覧になりましたか? 私はお芝居経験が浅くて不安だったんですけど、出演者のみなさんの演技を見せていただき、こういうふうにお芝居されるんだとか、たくさん刺激をいただきました。 でも、人には人の魅力があり、それぞれのやり方もあると思うので同じようにはできませんよね。私の恋人役の染谷(将太)さんも、染谷さんにしかできない役を演じていらっしゃったので、それを観て「私も、私がやるからこそできる役を作れるように頑張ろう」と勉強させていただきました。 俳優さんって、作品の中での役のイメージとかがあったりするんですけど、今回の出演者のみなさんは本当に温かくて優しい方ばかりで、ロケ中ずっと楽しかったです。それは清水監督がそういう空気を作ってくださったことも大きいと思いますが、みなさんと共演させていただけたことは、私にとって大きな宝物になりました。