「日本で生活できることは本当に幸運」“ヨーロッパ最後の独裁者”に挑む女性が、日本の若者へ語ったこと【チハノフスカヤ氏 単独インタビュー全文】
旧ソビエトのベラルーシで、8月9日に行われた大統領選挙。 26年間にわたって権力を握り続け「ヨーロッパ最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ大統領に挑んだ1人の女性がいました。 スヴェトラーナ・チハノフスカヤ氏、37歳。
政権に批判的だったブロガーの夫が大統領選への出馬を禁じられ、収監されたことを機に、夫の解放を求め立ち上がった彼女。 たった数週間でルカシェンコ大統領にとっての最大の強敵となり、現政権に不満を持つ国民から熱狂的な支持を集めたことで、世界的に一躍時の人となりました。 選挙後、不正を訴え選挙のやり直しを求めて平和的な抗議活動を続けるチハノフスカヤ氏にNNNモスクワ支局は日本のメディアとして初めて単独インタビューしました。
チハノフスカヤ氏は現在、身の安全を確保するため、選挙直後に隣国リトアニアに避難し、ベラルーシの人たちに「抗議の声をあげ続けよう」とメッセージを発信し続けながら、国際社会に協力を求め、現政権に対しては対話を呼びかけています。彼女が描くベラルーシの未来とは?そして、日本の若者へのメッセージも・・・。
全ては夫への愛から始まった
Q:今の健康状態は?毎日、ストレスがあると思いますが大丈夫ですか? ここリトアニアは、安全だと感じています。でもベラルーシ国内での対立やベラルーシに残って、権利を求めて闘わなければならない人達のことを聞くたびに、私が彼らと一緒にいられないことを残念に思っています。 Q:主婦だったあなたが、国民の象徴として政権と闘う、その力の源は何ですか? 全ては夫への愛から始まったのです。私の夫は大統領に立候補したかったのですが、彼は拘束されていたため出来ませんでした。そして、私は彼を愛しているので、その意思を引き継いだのです。でも、それが徐々に責任感へと変わっていったのです。これを続けなければならない、私を信じて賛同してくれる人々を裏切ることは出来なくなったのです。 Q:ベラルーシに戻らないのですか?身の危険を感じていますか?どの様な解決策もしくは、何を目標にしていますか? もちろん私はベラルーシに帰るつもりです。そこが私の母国であり、国を愛しています。しかし、ベラルーシにいることが今は安全だと思わないので、リトアニアに留まらなければならないのです。リトアニアは私の子どもにとっても安全だと今は感じています。もちろんベラルーシには必ず帰ります。